月別アーカイブ: 2013年2月

2013/14年度香港政府予算案

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本日午前11時より立法会において、曽俊華(ジョン・ツァン)財政長官による来年度政府予算案の発表がありました。

歳出予算の総額は前年比15.6%増の4,400億香港ドル(約5兆2,140億円)で、内訳は下の図の通りとなっています。

歳出内訳

予算の配分先はこれまで通り、教育、社会福祉、医療が中心であり、これら3分野で経常支出の6割を占めています。

一方、歳入予算の総額は4,351億香港ドル(約5兆1,559億円)にとどまり、来年度は現時点で約49億香港ドル(約581億円)の歳入不足が見込まれることになります。

chart2

注目される財政上の支援策は下記の通りとなっています。

  • 事業所得税・給与所得税および個人総合課税の75%減免(上限10,000香港ドル)
  • レーツの免除(1物件あたり上限1,500香港ドル)
  • 住宅用電気料金の補助(1,800香港ドル)
  • 公営住宅賃料の2ヶ月分免除
  • 総合社会保障支援制度による給付金の1ヶ月分増額
  • 社会保障給付金制度における高齢者手当、高齢者生活手当、障害者手当の1ヶ月分増額

また、演説の終盤近くの「Embracing the Challenges Ahead」という箇所では、そこに題された通り、香港の前途に横たわる高齢化問題から目を背けるのではなく、それをembrace(受容)した上で、将来予想しうる財政上の困難に備える必要があることを述べています。また、この問題を長期的視点に立って研究するためのワーキンググループを設置することも明らかにしています。

下の図は、1人の高齢者(65歳以上)を何人の現役世代(15 – 64歳)で支えるかを示すものです。香港では現在、現役世代5.3人で1人の高齢者を支えている形ですが、これが30年後には現役世代1.8人で1人の高齢者を支えるようになります。

chart5

今回の予算演説には、人口構成の高齢化に伴って将来予想される歳入不足に対し、例えば、これまでのような公有地の売却やFundの剰余金による穴埋めというような、その場しのぎの対応にはもはや限界があり、何らかの抜本的な対応が必要だという思いが見て取れます。財政長官の脳裏には、例えば近い将来の消費税の導入なども描かれているのでしょうか。

なお、財政長官は予算案の発表に先立ち、前年の香港のGDP成長率が+1.4%にとどまったことを明らかにした上で、2013年のGDP成長率も+1.5~3.5%の比較的低い数値にとどまるとの見通しを示しています。

高齢化社会と貧困の問題

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昨年、香港の平均寿命が男女ともに世界一になったことが明らかになりました。社会の長寿化そのものは喜ばしいことなのですが、その反面、自由放任主義(レッセ・フェール)を原理として掲げる香港では、つい最近まで公的年金のスキームが存在していなかったこともあり、貧困化の問題が高齢化と切り離せない課題としてクローズアップされてきています。今週半ばに発表される来年度の香港政府の予算案でも、貧困対策、特に高齢者に対するそれが焦点のひとつとなっています。

少し前のサウスチャイナモーニングポスト紙で、香港の高齢者の1/3が貧困線以下の生活を余儀なくされていると報じられていました(この場合の貧困線とは所得分布の中位数の半分の額と定義しています)。

2011年時点の政府統計によると、香港の全世帯数の約5%(119,376世帯)が高齢者の独居世帯で、その世帯所得は香港の全世帯の所得平均を大きく下回っています(下表)。

【世帯構成別世帯数・世帯所得(2011年)】

世帯構成
世帯数
世帯比率
世帯所得の中位数
独居世帯 「高齢者」 119,376 (5.0%) 8,730
「非高齢者」 283,813 (12.0%) 15,500
複数同居世帯 「高齢者のみ」 79,464 (3.4%) 11,540
「高齢者と非高齢者、あるいは非高齢者のみ」で、かつ「児童がいない」 1,132,874 (47.8%) 26,400
「高齢者と非高齢者、あるいは非高齢者のみ」で、かつ「児童がいて成人が1人のみ」 65,307 (2.8%) 10,000
「高齢者と非高齢者、あるいは非高齢者のみ」で、かつ「児童がいて成人が2人以上」 687,962 (29.0%) 26,000
全体 2,368,796 (100.0%) 24,810

税には所得再分配の機能も期待されますが、現在のところ香港の税体系は直接税主体となっており、逆進性が問題とされる間接税の比率は低くなっています。下表のデータの通り、課税最低所得に達しない低所得者層に対する所得税(給与所得税や資産所得税)は免除される一方で、レーツ(不動産税)や政府レント(土地使用税)等の所得に連動しない間接税の存在により、最低所得層の税負担率が最高所得層を除く他の所得層よりも高いという逆進性が見られるものの、教育・住宅・医療等の分野での所得移転により、その逆進性は解消されています。

【世帯所得層別 税引後世帯所得(2011年)】

税引後世帯所得
(香港ドル)
(税引前世帯所得に占める割合)
第一(最低) 1,940 (89.8%)
第二 6,300 (96.7%)
第三 9,870 (97.5%)
第四 13,770 (97.9%)
第五 18,040 (98.0%)
第六 22,810 (98.0%)
第七 28,730 (97.5%)
第八 36,810 (96.6%)
第九 50,320 (94.3%)
第十(最高) 120,370 (88.5%)
全体 30,900 (93.2%)

【世帯所得層別 税引後/所得移転後世帯所得(2011年)】

税引後/所得移転後世帯所得
(香港ドル)
(税引前/所得移転前世帯所得に占める割合)
第一(最低) 4,980 (230.7%)
第二 10,150 (155.8%)
第三 14,070 (139.1%)
第四 18,180 (129.2%)
第五 22,260 (120.9%)
第六 26,570 (114.2%)
第七 32,020 (108.7%)
第八 40,000 (105.0%)
第九 53,250 (99.8%)
第十(最高) 123,090 (90.5%)
全体 34,460 (104.0%)

(香港政府統計處「Household Income Distribution in Hong Kong」より)

長年にわたる優良な財政運営の成果を、香港政府は低い税率という形で市民に還元してきました。しかし、高齢化の進行により今後予想される財政上の困難を見据えて、香港も間接税中心の税体系への移行を検討すべきという提言も見られます。先日のジョン・ツァン財政長官のブログでも、麻生太郎財務大臣の終末医療に関する例の発言をたしなめながらも、日本で起こっている問題は近い将来の香港でも起こることだとして、高齢化社会への備えが必要なことを述べていました。

今回の財政予算案で、そのような将来に向けての何らかの方向性が示されるか注目したいと思います。

日本人が香港人をどう見ているか

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日本人が香港人のことをどう見ているかという昨日の蘋果日報(Apple Daily)の記事。

記事の中で挙げられた「日本人から見た香港人の印象」とは

飲食編

  1. 朝からマカロニを食べている。
  2. ご飯を食べながらコーラを飲む。
  3. 注文した食べ物を半分以上食べ残す。
  4. 酒を飲んでいなくてもテンションが高い。
  5. クーポンを異常に気にする。
  6. 魚の骨や海老の殻をテーブルの上に食べ散らかす。
  7. 客よりも店員の方が偉そうだ。
  8. 母親のように、他人のために食べ物を取り分けてあげる。
  9. 揚げ物を食べるときに酸梅湯を飲む。
  10. 老若男女を問わず、食べ終わった後にげっぷをしたり、楊枝をくわえる。
  11. 箸は使うが、あまり使い慣れているように見えない。
  12. 隣のテーブルの食べ物を指さしたり、他人の食べているところをこっそり盗み見たりする。

生活編

  1. エレベーターで降りる人を待たずに我先に乗り込む。
  2. 一人暮らしをしている人が少ない。
  3. ブームに流されやすい人が多い。
  4. エレベータに駆け込んで来ようとする人が目に入っても、待たずに必死に「閉」ボタンを押し続ける。
  5. 日本よりもゴミ箱はよく見かけるが、街中はゴミであふれている。
  6. 直前まで他人が座っていて、まだ温もりの残っている席に座るのを嫌がる(痔になるという言い伝えがあるため)。
  7. デパートがもうすぐ開店しようというのに、店員は化粧直しをしている。
  8. 夏のエアコンが効きすぎて、屋内が異常に寒い。
  9. しゃべり声が大きい。
  10. 不動産が異常に高い。
  11. 冬であまり寒くなくても、ダウンを着込んでいる。
  12. 香港の女性はトイレの便座に座ることを嫌がる。

恋愛編

  1. 人前でいちゃつく。地下鉄の車内でも平気でキスをする。
  2. 男性は奴隷のように女性の命令に従う。
  3. 彼氏はよく彼女の食べ残したものを食べてあげる。
  4. 彼氏はよく彼女のバッグを持ってあげる。
  5. 恋人同士よく電話をする。
  6. 浮気が多い。
  7. 日本の女性と結婚するのはとても幸せなことである。
  8. 日本の男性と結婚するのは奴隷になるようなものである。
  9. バレンタインデーには彼氏が彼女に花を送る。
  10. おごるのはいつも男の方。
  11. 車と家を持っていない男性は彼女を選ぶ資格がない。
  12. 恋人の部屋を自分の部屋に似せる。夫婦のように。

 
上の蘋果日報の記事の中で引用されたコンシェルジュ香港の記事は2010年のもので、どうして今頃取り上げたのか?という気がしますが、興味深いのはこの記事に対するFacebookユーザのコメントです。香港人が自分たちの評価に関するこの種の情報を目にすることが珍しいのか、同意する人・反発する人、色々反応があって面白いです。

最初の方のコメントをいくつか拾ってみますと・・・

  • ほとんど当っている。第三者の方がものがよく見えていることの証明だ。
  • 日本人の女性と結婚することが幸せだ(と香港人は思っている)というのは本当?
  • 香港人が大陸人を評するのと同じですね。
  • ポイントを突いている。
  • 日本人は「香港人の男性は奴隷のように女性の命令に絶対服従する」と思っているのか。
  • 文化の違いですね。指摘されていることは自分にはほとんど問題のないことのように思うけれど、他人から見れば奇怪に思うものもあるという、まるで香港人と大陸人との関係と同じだ。
  • 一番面白いのは、エレベーターで降りる人を待たずに乗り込む人がいるという指摘。

コメントの大半は記事の内容に同意するもので、香港人と中国本土の人との間の文化ギャップになぞらえるコメントも多く見られました。

中には、他の国のことを揶揄する前に自分たちのことを顧みろという批判のコメントもありましたが、コンシェルジュの元記事には、香港人が日本人のことをどう見ているかという逆の調査結果も掲載されていて(蘋果日報の記事では省かれていますが)、双方にギャップがあることを示す内容の記事でしたので、この批判は的外れです。

コンシェルジュの元記事は確か香港在住の日本人からの聞き取りを元にしたものだったはずですので、指摘で挙げられた項目はいずれも推測や伝聞などではなく、日頃の香港での生活の中で目や耳にする事柄ばかりのはずです(その点、蘋果日報の記事は説明不足です)。したがって、香港人から見ても、これらの多くが事実だと認めざるを得ないのは当然なのですが、目にした光景を当たり前のものとして受け流すか、奇異と感じるかというところにそれぞれの人の文化的背景の違いが表れるようで、改めて外国人からこれらのことを指摘されると新鮮なのかもしれません。

九巴の運賃値上げ

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九龍バス(九巴)は香港の九龍半島を主な地盤とする路線バス会社です。九龍側で生活する人にとっては無くてはならない生活の足ですが、この九巴のバス運賃の値上げが来月から実施されることが決まりました。

九巴は売上規模・保有車両数・路線数等いずれの面で見ても香港で最大のバス会社ですが、香港島を地盤とする新巴・城巴グループに比べて経営状況は振るわず、この5年間のうちに2008年(4.5%)と2011年(3.8%)の2度も値上げが実施されています。今回は当初の申請時には8.5%だった運賃の平均上昇率が最終的には4.9%にまで圧縮された上での値上げ認可となったのですが、度重なる値上げに利用者からの批判が強い一方で、九巴側も今回認可された値上げ幅ではコストの上昇を吸収できないとして不満の意を大いに示したとのことです。

対岸の香港島を地盤とする城巴は「利益率が9.7%を超えると超過分の利益をバス会社と利用者が折半する」という政府との取決めに基づき、今年に入って利用者に割引という形での利益還元を行うことを発表しており、このことも九巴の利用者の不満に輪を掛ける要因となりました。九巴は人件費や燃料代、海底トンネル通行料等の上昇を値上げの理由としているのですが、九巴が挙げるコストの上昇は九巴に固有というより、香港のどのバス会社にも当てはまる問題だと考えられるからです。

バス1台あたりの輸送密度や広告収入の低さを挙げる声もありますが、はたして経営努力だけで解決できる問題なのかどうか。九巴が持つ400近くの路線のうち7割が赤字だということで、今後は路線網の縮小についても議論されそうですが、民間企業とはいえ公共的色彩の強いバス事業の場合には、簡単に不採算路線を切り捨てるわけにもいかず経営的には難しい判断を迫られます。

日本においても、公営か民営かの違い、あるいは高すぎる給与等の別な要因もありますが、大阪の市バスは慢性的な赤字に苦しみ、東京都も(バス事業自体は黒字であるものの)バス路線の3分の2が赤字であるという事実があります。日本で定着している、大都市であっても路線バスの経営は容易ではないという認識は香港でも当てはまるようです。

IMG_3240
バス停に掲示された九巴の車長募集広告
(”車長”とはバスの運転手のこと。「月収は最高15,000香港ドル(日本円で約18万円)」という記載が見えます)

財爺

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まもなく香港政府の来年度の予算案が発表されますが、予算案を発表するのは香港政府のトップである行政長官ではなく、No.3の財政長官(財政司司長)の仕事です。

行政長官職は昨年、前任者のDonald Tsang(曾蔭權)氏からC Y Leung(梁振英)氏に引き継がれましたが、財政長官職はJohn Tsang(曾俊華)氏が引き続き務めています。Tsang氏が財政長官に就任したのが2007年のことですから、在任期間は今年で足かけ7年目となり、歴代の財政長官と比較してみてもかなり長期の部類に入ります。

John Tsang氏は在任期間の中で特に目立った失点もなく、世論からの支持はそれなりに受けている(香港大の直近の調査では支持:54%、不支持:8%)のですが、在任期間が長期に及び、たとえ大過がなくてもマンネリ感が漂っていること、また今年62歳で現行政長官のLeung氏より3歳年長でもあることから、退任が近いのではないかという声も聞かれます。

先代の行政長官であるDonald Tsang氏は財政長官→政務長官→行政長官と昇り詰めましたし、先の行政長官選挙で本命視されながら、不法行為の発覚で世間のバッシングを浴びLeung氏に敗れることになったHenry Tang氏も財政長官→政務長官というキャリアを積んでいました。このため、John Tsang氏も将来のキャリアのために政務長官への転身を図りたいところかもしれません。格好のタイミングは昨年の行政長官交代時であったと思うのですが、その時に政務長官職に任命されたのは女性の林鄭月娥氏でした。就任後半年以上経った今も、彼女に対する世論の期待や支持は依然として高いことから、簡単にはポストは空きそうにありません。Tsang氏本人に香港政府トップを目指す意思があるのかどうか分かりませんが、このまま財政長官にとどまるか、後任に道を譲って野に下るべきか悩ましいところなのかもしれません。

ところで、財政長官のことを香港のスラングで「財爺」と呼びます。最初は蔑称、あるいはからかいの意味を含んでいるのかと思ったのですが、香港のマスコミや財政長官自身のブログの中でも普通に使用されており、卑しめる意味は含まれていないようです。日本人がこれを聞くと、かつての「塩爺」を思い出してしまいます(・・・そう言えばあの方も財務大臣でした)が、この俗称は個人に対するものではなく役職に対するものです。そうだとしたら、将来女性が就任した場合には果たして何と呼ばれることになるんでしょうか。(すぐに考えつく言葉がありますが、書かないでおきましょう・・・)


財爺ことJohn Tsang財政長官

香港におけるPM2.5観測

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中国本土での大気汚染の深刻化を受けて、日本では先日、環境省が微小粒子状物質(PM2.5)に関する専用ホームページを開設した他、横浜市や福岡市などの各自治体もPM2.5に関する情報発信を始めるなど、大気汚染、とりわけその中でもPM2.5に対する関心が高まっています。

PM2.5とは、「大気中に漂う粒径2.5μm(1μm=0.001mm)以下の小さな粒子のことで、従来から環境基準を定めて対策を進めてきた粒径10μm以下の粒子である浮遊粒子状物質(SPM)よりも小さな粒子で・・・粒径が非常に小さいため(髪の毛の太さの1/30程度)、肺の奥深くまで入りやすく、肺がん、呼吸系への影響に加え、循環器系への影響が懸念される(環境省ホームページより)」ものです。

大気汚染が慢性化し、そのことに対する市民の関心も高い香港では、PM2.5の人体受容限度に関するWHOの勧告の発表を受けて、一昨年よりPM2.5の試験観測を開始し、昨年3月からは香港環境保護局のホームページで域内14の観測拠点での観測値を公開しています。

http://www.epd-asg.gov.hk/english/24pollu_fsp/24pc_fsp.html

リンク先の表の一番右のFSP(Fine Suspended Particulates:微細浮遊粒子(PM2.5のこと))の列がその数値となります。

(弊社のトップページでもセントラルの直近PM2.5濃度を表示するようにしています。)

蛇年

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今年は十二支では巳(蛇)年、六十干支では癸巳年にあたります。

世界各地の古代伝承において蛇は神の使いや神の化身として扱われることが多く、例えば、中国の古代伝説において人類の始祖とされる伏羲氏と女媧氏は共に人面蛇身の姿をしていたと伝えられています。また、中国では吉祥のシンボルである龍が具現化した生物としても敬われてきました。

ただ、共に語られる龍が干支に存在するにも関わらず、「竜頭蛇尾」という故事成句にもあるように、より劣った存在として認識されている蛇までもが何故干支に名を連ねているのか違和感を感じることもあったのですが、際だった外観的特徴と行動的特性を持つ蛇は、下記の記事にあるように人間が持つある種の一面を象徴する生き物でもあるようです。そのことを古代の人たちは既に見抜いていたのかもしれません。

日本語で「蛇のような性格」と言えば、狡猾だとか執念深いというような意味合いで使われますが、広東語で「蛇王」は”仕事をサボる”ことを意味するスラングとして使われます。日本人は蛇に対して怠け者のイメージはあまり持っていませんが、どちらにしても悪い意味で使われることには違いありません。古代には敬われていた蛇が、やがて時代が下って、いつしか忌み嫌われるものの代表格となる状況は国を問わず同じようです。それだけでなく、広東料理では蛇が食材として供されることも珍しくなく、神の象徴としての面目はすっかり失われてしまいました。

新年快樂

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今年に入って2回目の”新年快樂”です。

香港は今日が旧暦新年の仕事初めとなります。ただ実際には今週一杯休みを取る人も多いですので、朝の通勤時のバスの混み具合は普段の6割ぐらいでした。

引き続き本年もよろしくお願いいたします。

第32回香港電影金像獎ノミネート作品発表

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香港で最高の映画賞である香港電影金像奨のノミネート作品が発表されました。

作品賞にノミネートされたのは以下の5作品。

低俗喜劇
車手
逆戰
寒戰
消失的子彈

最多部門ノミネートは《寒戰》と《消失的子彈》の2作品が12部門で並んでいます。また、主演女優賞には周迅が2作品(《大魔術師》《聽風者》) でノミネートされており、7年ぶりの受賞が有力視されています。

授賞式は4月21日に香港文化中心で行われ、その模様は香港のテレビで生中継されます。

Alucia Consulting

広東省最低賃金引き上げへ

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先日公表された広東省の最低賃金引き上げに関する日経新聞の記事。

記事にもある通り、日系製造業の取りうる対応としては一層の省力化・オートメーション化により労働集約型から技術集約型への転換を進めるか、さもなければ撤退・移転しかありません。前者で問題が解決すればそれに越したことはありませんが、それではそもそも何のために中国に進出したのかというジレンマにも陥ることになります。

中国政府が示した中国内陸部への移転という選択肢は日系企業の目には全く魅力的に映らず、最近は移転先(あるいは新規投資先)のトレンドはほぼ東南アジアということで固まりつつあります。

ただ、東南アジアの各国も最近、次々と最低賃金の引き上げを決めています。

タイ:日額最低300バーツ(約934円)
ベトナム:月額最低235万ドン(約10,455円)
※ともに’13年1月から

これらの国々では労働力への需要が極めて高く、タイなどは実質的には完全雇用に近い状態だということです。そのため賃金上昇圧力が強く、中国以外の周辺国でも賃金上昇傾向はしばらく止まらないでしょう。

コスト競争力は相対的なものなので、周辺により低いコストで生産可能な国や地域がある限り、生産拠点を移す動きが止まらないのは分かりますが、生産移転の波がラストフロンティアと呼ばれるミャンマーあたりにまでたどり着くとどうなるのでしょうか。

日系製造業は仮に安価な労働力を求めて現在、賃金の低い国に進出したとしても、いずれ賃金上昇に苦しむ可能性が高いわけですので、あらかじめそのことを見越した戦略が求められるわけですね。