月別アーカイブ: 2013年3月

役員情報の閲覧制限導入延期へ

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来年施行の香港会社法の改正(新会社法)で盛り込まれることになっている会社の取締役の個人情報公開制限について、導入が延期されることになりそうです。法律家やジャーナリストから反対の声が上がっており、まだ社会的なコンセンサスができあがっていないことを理由に、導入を急がない旨の発言を政府当局者が行ったということです。

Bankers, corporate lawyers, accountants and journalists had assailed the plan as a retreat from corporate transparency that would damage Hong Kong’s position as a financial center.

これらの反対の声の根拠は取締役の情報の公開が制限されることにより、企業の透明性が損なわれるというもので、個人情報の保護よりも企業の透明性の確保が優先されるべきというものです。

一方、同じく来年施行の会社法改正における目玉とも言うべき項目が、会社には必ず一人以上の自然人の取締役を含めなければならないという変更ですが、こちらの趣旨はまさにその会社の透明性確保というもので、取締役情報の公開制限とは方向性が逆になります。

個人情報の保護はもちろん大切な問題ですが、同じ時期の改正においてベクトルの異なる変更が相並ぶのはやはり違和感の感じられるところで、反対の声があがるのもやむをえないように思われます。

統括会社の立地場所としての香港

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住友化学がシンガポールに統括会社設立という記事。

住友化学は28日、東南アジア、インド、オセアニアにおける事業を支援する統括会社として、「住友化学アジアパシフィック」をシンガポールに新設し、4月1日から営業を開…

最近では日本企業によるアジア統括本部設置の記事はもう目新しさを感じなくなってきましたが、これまでのところ、日本企業によるアジアへの本社機能の移転先としては、シンガポールが一人勝ちのような状況になっています。シンガポールが設けている統括会社誘致のための優遇策は基本的にグローバルな大企業を対象としたものですが、日本企業におけるアジア統括本部を作る動きはこれまでのところ大企業が先行して行っているがために、大企業の統括拠点の立地に適したシンガポールに脚光が当たる形になっていると考えられます。

シンガポールの場合は日本から地理的にも遠く、ここに統括本部を置くのであれば、人・モノ・情報も含めた本社機能を大幅に移すことを覚悟しなくてはなりません。対して、香港は日本との距離が近く、地理的にも日本と東南アジア地域の中間に位置します。比較的規模の小さい企業が司令塔としての本社機能を日本に残しつつ、東南アジアや中国市場への進出の足場としての統括本部を設置する場合には、香港の位置づけが改めて見直されるのではないかと思います。

これまでのところ、アジア統括会社の設置競争においてはシンガポールと香港の間で完全に明暗が分かれた形ですが、これから中堅・小規模企業のアジア拠点設置にその焦点が移るにつれ、徐々に香港の方にも日が当たってくることを期待しています。

メイド永住権訴訟

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昨日25日、香港の最高裁はフィリピン人メイドが求める永住権の付与を認めないという判断を下しました。2011年9月の第1審は原告のフィリピン人メイド側が勝訴、2012年3月の第2審(控訴審)は逆に原告側が敗訴、そして今回が最高裁による最終判断となります。

以下は日経の記事。

 香港の最高裁にあたる終審法院は25日、フィリピン人のメイドら家庭内労働者に香港での永住権を認めない判決を下した。香港の憲法にあたる基本法では、合法的な方法で入境した人が7年住み続ければ永住権が得られると明記しているが、メイドらについては別の立法でそれを制限していた。香港の世論を二分する議論となっていたが、法的には決着した。

「合法的な方法で入境した人が7年住み続ければ永住権が得られる」という香港基本法の規定が外国籍のメイド(FDH)には適用されるのか否か。純粋な法の解釈からすれば原告の言い分の方に理があると感じられますが、香港市民の大半の見方は現在の社会秩序を維持するためにはやむを得ない判断だというもののようです。

香港の居留権絡みでは、もう一つの問題があります。「雙非」問題がそれで、これは両親ともに香港の居留権を持っていなくても香港で出生した中国籍者に対しては香港の永久居民権が付与されるという香港基本法24条の規定にもとづき、香港の永久居民権を取得する目的で本土の妊婦が香港で出産するケースが後を絶たず、社会問題化していることを指します。

日経の記事にある「香港での永住権の定義を巡っては昨年12月、法相に相当する袁国強司法官が終審法院に対し、中国政府に法解釈を委ねるよう公言」したのは、今回のメイド永住権裁判に場を借りて、香港政府の頭を悩ませる(しかも香港だけでは解決しようがない)基本法におけるそれら居留権絡みの問題の解釈を中央政府に丸投げし、その威を借りて何とか事態を動かしたい香港政府の思惑が現れ出たものでした。その意味で、今回の判決で香港政府は勝訴はしたものの、思惑の半分は達せられなかったということになります。この点について、今回の最高裁の判事たちが中央政府の介入を拒否した点を評価する声も聞かれます。

占領中環

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最近の香港でよく耳にする「占領中環」(あるいは「佔領中環」)という言葉。香港の政治経済の中心・中環、その象徴であるHSBC本店の周辺一帯で座り込みを行って、2017年の次期香港行政長官選挙における普通選挙制度の導入を求める活動を行うことを意味します。

かつて2011年にアメリカで呼びかけられた「ウォール街を占拠せよ」に呼応し、香港で発生した「占領中環」という運動ですが、しばらく鳴りを潜めていたこのムーブメントが再び注目されるようになったのは、その提唱者である香港大学法律系副教授の戴耀廷氏が今年1月に『信報』に寄稿した一文がきっかけでした。

この檄文のような文章の中で、戴耀廷氏は以下のように述べています。「・・・真の普通選挙を実現するためには、より『殺傷力』の強い武器を準備する必要がある。それが中環の占領である。行動は非暴力による抗議という方式を採り、デモ参加者は長期間にわたって違法に中環の要所を占拠し、香港の政治経済の中心を麻痺に陥れることによって、北京に立場の変更を迫るというものである。」

さらに読み進めると、そこにはまるで作戦要務令のように行動のポイントが簡潔に記されています。

  1. 1万人以上を集めることで効果を発揮することができる。当然参加者は多ければ多いほどよい。
  2. インドのガンジーやアメリカのキング牧師のような影響力のあるオピニオンリーダーの参加が必要である。
  3. 占拠自体は違法行為であるが、非暴力を貫くことで大衆の正義感に訴えかけることができる。
  4. 占拠は持続が必要であり、支援者からの物資の補給の他、インターネットやメディアを通じて、香港市民や全世界に情報を発信して関心を引くことが必要である。
  5. 占拠は違法行為であるので、行動終了後には自首をして罪を償うこと。
  6. 中環の占領は最終手段であり、真の普通選挙実現の夢が絶たれたときに初めて実行に移されるべきである。
  7. 現実的には、中環の占領を実際に行う必要はなく、その存在を知らしめるだけでも十分な効果がある。それが実際に実行力のあるものであることを示すために事前に参加者の署名と宣誓書を準備する必要がある。
  8. 行動の最終目標は香港における普通選挙の実現である。

正直なところ、その方法論については今一つ共感しかねる、この中環の占領という抗議行動。毎週日曜には香港名物・出稼ぎのアマさんたちによる「占領中環」もありますが、政治運動の方の「占領中環」は今後広がりを見せていくのでしょうか。

40sqftの部屋を通して見た香港の住宅危機

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先だっての行政長官の施政報告の中で、任期中の最重要課題として挙げられたのが香港の住宅問題の解決。それに関連して香港の劣悪な住宅事情を告発する記事がありました。

「40sqftのアパートの部屋を通して見た香港の住宅危機」と題されたこの記事の中では、いくつかの驚くような(しかし少しアート風の)写真が紹介されています。40sqftと言えば2.25畳ぐらいの広さですから、部屋というよりは押入れや納戸に住んでいるような感覚かもしれません。

写真を見て私は重慶マンションの安宿に泊まった時のことを思い出しましたが、香港に住んでいる日本人であれば家族向けマンションに造り付けられたアマさん用の小部屋(メイドルーム)を思い起こす方もいると思います。

そう考えると、このような小さなスペースで寝起きすること自体、香港では今更そう珍しいことではないような気がしてきますが、香港人から見ると、自分たちとは別次元の話だと割り切れたアマさんの生活環境の問題ならいざ知らず、他ならぬ香港人自体の住環境までもがそのレベルに落ちつつあることに対して、衝撃や不安を感じるのかもしれません。

YOUKU-TUDOUとTVBの提携

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中国の動画共有サービスで有名なYouku-Tudouが香港のテレビ局TVBからドラマを中心とした番組の独占供給を受け、本土での配信を行うとのことです。

YoukuとTudouは共に中国本土の動画共有サービスの大手事業者でしたが、昨年夏にYoukuがTudouを買収する形で合併しました。

Youku-Tudouの合併後初めて迎える決算期である2012年12月期の財務報告が同社サイトのIR情報に記載されていますが、それによると、主な業績数値(未監査)は以下の通りとなっています。

  • 連結売上高は18億元(約275億円)
  • 連結純損失は4億2,400万元(約64.8億円)

CONSOLIDATED STATEMENTS OF OPERATIONS

For the Twelve Months Ended

(Amounts in thousands, except for number of shares and ADS and per share and per ADS data)

December 31, 2012

December 31, 2012

RMB

US$

(Unaudited)

(Unaudited)

Net revenues

1,795,575

288,210

Cost of revenues (Note 1)

(1,499,536)

(240,692)

Gross profit

296,039

47,518

Operating expenses:

Product development

(172,885)

(27,750)

Sales and marketing

(363,707)

(58,378)

General and administrative

(238,112)

(38,220)

Total operating expenses

(774,704)

(124,348)

Loss from operations

(478,665)

(76,830)

Interest income

45,478

7,299

Interest expenses

(3,989)

(640)

Other, net

9,757

1,566

Total other income, net

51,246

8,225

Loss before income taxes

(427,419)

(68,605)

Income taxes

3,416

548

Net loss

(424,003)

(68,057)

決算速報を伝えるプレスリリースの中で、同社のCEOは合併効果に関して以下のようにコメントしています。「合併後最初に迎える四半期である2012年第4四半期の業績には満足している。合併によるセールスチームの再編に伴う現場の混乱にも関わらず、堅調な売上の伸びと純損失の大幅な縮小を記録した。統合プロセスは進行中なので、この大規模合併による一時的な事業上のインパクトは予想しているが、2013年下期には一層の売上の伸びと合併によるコスト削減効果が出てくると楽観視している。2012年末までに1日あたりのモバイル動画視聴数は1億ビューを超えており、2013年にはモバイル分野の成長が業績につながることを織り込んでいる。」「コスト構造の面から見ると、第4四半期の業績は早くも現れた合併のシナジー効果を反映したもので、とりわけ回線コストや人件費関連にそれが現れている。モバイルデバイス向けサービスの急成長をはじめとしたトラフィックの持続的な拡大により単位あたりのコストが削減されることが期待できる。」

中国の動画サービス市場で当時シェア1位・2位を誇ったYouku-Tudouの合併は、いわば強者連合として市場での圧倒的優位をもたらすはずでしたが、実際には競合するSohu(捜狐)-Baidu(百度)-Tencent(騰訊)連合からの激しい追い上げを受けています。競合陣営の3社は市場では後発ながら、Sohuは有力ポータルサイト、Baiduは中国で圧倒的シェアを誇るサーチエンジン、Tencentは数億人のユーザを抱えるQQというそれぞれのバックグラウンドを強みとして、先行するYouku-Tudou陣営のシェアを徐々に切り崩しています。今回のTVBとの提携はそうした競合他社の猛追に対する対抗策のひとつとして見ることができます。

中国の動画サービス市場は成長を続けており、2012年時点では92.5億元(約1,414億円)規模に達しました(iResearch社調べ)が、そのリーディング企業であるYouku-Tudouの連結売上高(約275億円)は、動画投稿サービスの雄であるGoogleのYoutube事業の収益(アナリスト推測で約36億USドル。こちらの記事参照)にはるかに及ばず、規模で言えば、日本で同様のサービスを展開しているドワンゴ社(売上高362億円:2012年9月期)に近い感じになります。Youtubeもその知名度ほどにはGoogleの業績に貢献していないと言われますが、Youku-Tudou(および前身のYouku)も2010年のNYSE上場以来、最終赤字が続いています。

強まるマネーロンダリング規制

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香港では昨年の反マネーロンダリング・テロ資金調達<金融機関>条例(Anti-Money Laundering and Counter-Terrorist Financing (Financial Institutions) Ordinance)の成立を受けて、マネーロンダリング行為への訴追が相次いでいます。今年に入って判決が下された2つの事案では、いずれも被告に対して10年の禁固刑という重い処罰が下されました。この二つの事案で洗浄された資金の額は合計で200億香港ドル(約2,462億円)にのぼるとされています。

下の記事の中では、末端のマネーロンダラーに対して科せられた10年という刑期が妥当なのかどうか、また検察側に当該資金が犯罪に使用された事実の立証義務がなく、被疑者が資金の正当な出所を証明できなければ有罪判決が下ってしまう点について疑問が投げかけられています。

昨年の反マネーロンダリング法の成立以降、金融監督局(HKMA)や証券先物等監視委員会(SFC)では以下のような法規やガイドラインを定め、とりわけ金融機関に対する監督の姿勢を強めています。

昨年暮れにはHSBCが違法な資金洗浄に対して適切な措置を取らなかったとして、アメリカ当局から19億USドル(約1,560億円)もの莫大な罰金を受けましたが、そのHSBCが今度はアルゼンチンの当局から同じくマネーロンダリング絡みの問題で多額の罰金を科せられる可能性があると今日のニュースで報じられていました。香港当局の規制の強化に加えてこうした背景も重なり、HSBCをはじめとする香港の各銀行は英領ヴァージン諸島(BVI)等のオフショア法人の口座開設を昨年以降、ほとんど認めなくなっています。

香港法人とBVIやケイマン等のオフショア法人を組み合わせる相補的な投資スキームは金融都市・香港の隠れた強みの一つでした。とりわけ中国本土の投資家たちにとってこのスキームは魅力的だったのですが、現在では様々な規制を受けてかつての勢いはありません。これらタックスヘイブンの国々がマネーロンダリングの舞台として利用されやすい事実、国際的な規制強化の声の高まり、不必要なリスクを負いたくない銀行の立場、いずれも理解できますが、杓子定規な規制の適用によって香港の競争力の源泉の一つが失われることがないよう望みたいと思います。

香港における「愛国」観

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今朝の香港各紙のトップ記事には先日、国家主席に選出された習近平氏の香港に関する発言を伝えるものが並びました。

明報の社説の冒頭にはこうあります。「港人絕大部分都是愛國的,我們不但樂於見到中華民族復興的中國夢能夠實現,我們還有一個民主香港夢(香港人の絶対的大多数は愛国的である。我々は中華民族の復興という中国の夢の実現を楽しみにするのと同時に、香港の民主化というもう一つの夢も持っている。)」。この文章の冒頭にある「香港人の絶対的大多数は愛国的である」という文言に違和感が感じられるのは、明報の社説はこの「愛国」という言葉が香港では複雑な意味を有していることを含みにして、あえて中央政府首脳が意図した意味とは違えて使っているからです。明報の社説が言う「香港人の絶対的大多数は愛国的である」とは、はたして本当なのでしょうか。

この「愛国」という言葉は、ここ香港という場所においては複雑な意味を持っていますが、その理解のためには以下の新報の記事が役に立ちます。

この記事の中では、香港人が抱く「愛国」という概念を5つに区分しています。

  1. 是中國的擁躉,無論中國政府做些甚麼,都會不加批評地支持,絕對跟隨黨中央和中央政府的路線(中国政府を擁護し、中国政府のすることは全て無批判に支持する。党中央や中央政府の路線に絶対的に従う)。
  2. 這些人愛中國政府,也支持共產黨,不過,他們認為,共產中國的政權有着很多不好的地方,而這些地方是需要改進的(中国政府を愛し、共産党を支持するけれども、中国共産党政権には好ましくない部分が多々あり、改善が必要だと考えている)。
  3. 他們愛中國,但不愛共產黨(中国を愛するけれども、共産党は好きではない)。
  4. 他們根本不愛中國,認為香港是香港,中國是中國,中國人和香港人是沒有關係的(根本的に中国を好んでおらず、香港は香港、中国は中国、中国人と香港人は別物だと考えている)。
  5. 就是非但不愛中國,而且還憎恨中國(中国を愛していないばかりか、むしろ憎んでいる)。

記事では最後に以下のように締めくくっています。「(1)の”盲中親中”は大部分の香港人には受入れられず、また(4)は”香港の自治”を吹聴する人たち、(5)は”香港の独立”を画策する人たちだと言える。(3)は”国は愛するけれども、共産党は好きではない”人たちだが、中央政府の考える”愛国”には合致せず、(このような考えの持ち主を)中央政府は行政長官の適任者とは見なさないであろう。簡単に言えば、”愛国愛港”の定義の最大公約数は(2)であるということに落ち着く。」

習近平をはじめとする中央政府首脳が最近、香港を巡る言説において盛んに口にする「愛国」とは現在の共産党が支配する中国への支持を指すことは間違いありません。また、「愛国」という言葉をその意味で捉えている香港人が少なからずいることも事実だと思いますが、それ以外の香港人の相当部分が考える「愛国」とは、政治体制への支持を抜きにした中華民族の祖国としての中国への忠誠心を指すと考えられます(上の分類でいえば(3)の層)。

思えば、昨年8月に尖閣問題の発端となる上陸事件を引き起こした保釣行動委員会は香港の民主派系の団体でした。彼らは政治的には共産党が支配する現在の中央政府とは対立する立場にありますが、共産党政権樹立以前からの中国領である(と主張する)尖閣諸島の領有権に強いこだわりを示すことによって、自らの「愛国者」としての立場を正当化するよりどころとしています。

昨年11月に発表された香港中文大学の調査によると、無作為抽出した819人の香港人に、自らが「中国人」、「香港人」、「香港人だが、中国人でもある」、「中国人だが、香港人でもある」のいずれに該当するかを尋ねたところ、その回答の比率は下記の通りとなったそうです。

  • 「中国人」12%
  • 「香港人」23%
  • 「香港人だが、中国人でもある」42%
  • 「中国人だが、香港人でもある」22%

「香港人だが、中国人でもある」と回答した4割強の人たちの多くが、上の分類で言う「(3)中国を愛するけれども、共産党は好きではない」の層と重なっているように感じられます。

奇跡の生還

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香港市街から空港に行く途中にある青馬大橋。世界でも有数の巨大な吊り橋なのですが、そこからダイブして生還した人が現れたとのことです。

香港市街でタクシーを拾い、空港に行く途中にある東涌という街に向かうよう指示したこの男性は、気分が悪いと言って橋の途中で車を停止させて下車すると、運転手の見ている目の前で欄干を乗り越え、橋の縁に腰掛けたそうです。その後、運転手の通報で駆け付けた警察や消防が説得に当たったようなのですが、最終的にそれを振り切って、そのまま60m下の海に飛び込みます。状況からして、この人は少なくともパフォーマーなどの類でないことは間違いなさそうですが、本気で命を断とうとしたのか、何か薬物でもやっていて幻覚に襲われたのか、助かったから良いもののあまり笑えない話です。過去16年間のうちに判っているだけでも10人がこの橋から飛び込み、生還が報告されたのは今回が初めてだそうです。

コンクリートなどの硬い地面だった場合、人間が落下して生存できる限界は10〜15mぐらいだというのを以前読んだことがあります。海面に落ちる場合は、着水の際の角度にもよるのでしょうが、60mの高さでも生還できる場合があるんですね。

青馬大橋は全長2,160m、センタースパンの長さが1,377m、道路鉄道併用の吊り橋としては世界一の長さを誇ります。海面から橋桁までの高さは62mで、レインボーブリッジや横浜ベイブリッジよりやや高く、明石海峡大橋とほぼ同じです。

息苦しい日々

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先週後半から各メディアを通して、香港各地の大気汚染に関する環境局からの注意が繰り返しアナウンスされていました。大気の流れが悪く、汚れた空気が香港上空に滞留しており、大気汚染指数(API)の高い状態が今も続いています。

Causeway Bayの路上観測点では3/8(金)の深夜から3/9(土)の未明にかけて、APIが200を超える状態が数時間続きました。

API_CB_08-03-13

APIが200を超える状態は環境局の区分で「Severe」とされ、心臓や呼吸器に疾患を持っている人には交通量の多い地帯での滞在を避けることが勧告され、それ以外の一般の人たちに対しても、交通量の多い地帯での長期間の滞在や体力を使う運動を極力避けることが推奨されるレベルです。大気汚染が常態化した香港においても、このAPIが200を超えるのは去年の8月以来となります。

この週末は天気はよかったものの、このような情報が事前に耳に入っていると、なかなか外出しようという気持ちが起こりません。環境局によると、この状態は今週前半もしばらく続くとのことで、もうしばらく息苦しい日々を辛抱する必要がありそうです。