月別アーカイブ: 2013年4月

日本・BVI租税情報交換協定に合意

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代表的な租税回避地(タックスヘイブン)である英領ヴァージン諸島(BVI)と日本政府との間の租税情報交換協定が合意に至ったということです。

英領ヴァージン諸島との租税情報交換協定について基本合意に至りました

日本との間で既に租税情報交換協定を締結済みのタックスヘイブンとしては、ケイマン諸島やバミューダなどがあり、BVIとの協定はこれに続くものとなります。

タックスヘイブンとの租税情報交換については、情報交換とは言いながら、片方には租税が存在しないため、実質的には日本側からタックスヘイブン側に一方向的に情報を求める形となり、相手方の当局がそれに応じるメリットが薄いという根本的な問題をはじめとして、実効性に関する疑問がついて回ります。ただ、BVIと言えばタックスヘイブンの象徴であるだけに、協定が合意されたことのインパクトはかなり大きいと思われます。

ASEAN 香港へのFTA交渉呼びかけ

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ブルネイで開催中のASEAN首脳会議後に発表される声明において、香港に対してASEANとの間のFTA締結に向けての交渉を呼びかける文言が盛り込まれる予定だと報じられています。

THE Association of Southeast Asian Nations (Asean) – a 10-member bloc of which Singapore is a founding member of – wants to begin negotiations on a free trade agreement with Hong Kong.

ASEANと香港とのFTAについては、既に発効済みのASEAN・中国FTA(ACFTA)の枠組みに香港が参加する形が取られるものと思っていたのですが、記事の中ではACFTAには言及されておらず、ASEANと香港の間の個別FTA締結に向けての交渉を行うことが想定されているように見えます。

アジアにおける自由貿易圏構築の動きとしては、先日日本が交渉参加を認められたTPPが注目されていますが、それと並行する形でASEANが日・中・韓・印・豪・NZの各国と個別に結んでいるFTAを束ねる構想(RCEP)も具体化に向けて動き始めています。アジアにおける自由貿易圏の構築の動きは今のところASEANを中心に進んでいることから、香港としてもASEANとの早期のFTA締結は急がれるところであり、今回のASEAN側からの呼びかけは願ったり叶ったりだと思います。続報を待ちたいと思います。

対中投資の直近動向

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昨日香港で行われた投資セミナーの中で、中国商務部の王超周副部長が対中投資の現況についてコメントしています。

路透香港4月23日 – 中国商務部副部長王超周二表示,目前外商直接投資中国呈企穏回升態勢,雖然当前外部不確定因素仍較多,但全年吸引外資料会平穏発展。

他在香港出席中国投資研討会時称,周辺経済調整及債務危機,令全球経済低増長態勢持続,保護主義以不同的形式進一歩抬頭,国際投資総量趨緊,2012年全球外国直接投資1.3万億美元,回落至2009年以来最低水凖。

王超認為,雖然中国大陸面対環境、土地及其…

先週18日に、商務部は2013年第1四半期の対中直接投資額が対前年同期比1.4%増の299億ドルで、3月単月では対前年同月比10.5%増の124億ドルであったことを発表しましたが、この際、商務部は「外需の不振、コストの上昇、貿易環境の悪化など輸出の安定性を脅かす要素が存在し、外国貿易に関する情勢は楽観を許さない」としつつ、「投資額の大小ではなく、外資の利用水準の向上に目を向けるべきだ」ともコメントしています。

中国経済が(8%以上の)高度成長の持続を望む場合、そこには依然として外資の力の利用が必要ではあるものの、外資なら何でも歓迎という時代はとうに過ぎて、現在は「転型・ 升級(産業の構造転換と高度化)」に寄与する外資のみを受け入れる政策に転換しています。中国当局のこの種の発表では、従来は数量的な目標が十分に達成できていたので質の面に殊更言及する必要もなかったのですが、最近は質的な部分を強調するケースが増えている気がします。

また、王副部長は前記のセミナーの中で「中国は環境の悪化や、土地、その他資源の不足に直面しているけれども、経済成長のレベルや効率の向上、市場の潜在力の巨大さなどから、本土の外資吸引力は依然として存在する。多国籍企業は引き続き中国をその主要な投資目的地としてみなすであろう」と述べています。また、それと併せて、現在1,700以上に及ぶ外国投資に関する審査項目のうち、3分の1以上を廃止する計画があることを表明しています。

日本からの対中直接投資については、第1四半期は対前年同期比10.5%増の22.9億ドル、3月単月では対前年同月比43.2%増の10.21億ドルと足元では回復が見られます。日本企業の関心がASEAN諸国などに向かう中、対中投資の今後のトレンドが注目されます。

香港2014年の祝日

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2014年の香港の祝日が発表されました。

1/1(水)
元旦
1/31(金)
旧正月初日
2/1(土)
旧正月2日目
2/3(月)
旧正月4日目
4/5(土)
清明節
4/18(金)
耶蘇受難節
4/19(土)
耶蘇受難節翌日
4/21(月)
復活節翌日
5/1(木)
労働節
5/6(火)
仏誕
6/2(月)
端午節
7/1(火)
香港特別行政区成立記念日
9/9(火)
中秋節翌日
10/1(水)
国慶節
10/2(木)
重陽節
12/25(木)
クリスマス
12/26(金)
クリスマス翌日

 

2014年のカレンダーはこちら

IMF世界経済見通し(2013年4月版)

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国際通貨基金(IMF)が半年に一度公表している世界経済見通しの2013年4月版が発表されました。

 [ワシントン 16日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)は16日、最新の世界経済見通しを公表し、2013年の世界経済の成長率予想を前回1月時点の3.5%から3.3%に引き下げた。
 2014年についても、前回の4.1%から4.0%に下方修正した。
 米国の財政緊縮や欧州の景気低迷が重しになるとの見方を示した。
 金融リスクが後退する中、経済見通しはここ数カ月で改善したと指摘しつつも、キプロス問題…

今後の中期的な予測の上で参考になると思われる、アジア主要国の今後5年間(2013-2018年)の年平均・実質GDP成長率を抜き出してみました。

日本
1.2%
中国
8.4%
香港
4.4%
韓国
4.0%
台湾
4.5%
香港
4.8%
シンガポール
4.3%
インドネシア
6.5%
マレーシア
5.2%
フィリピン
5.4%
タイ
4.4%
ベトナム
5.4%
カンボジア
7.4%
ブルネイ
5.9%
ミャンマー
6.8%
ラオス
7.8%
インド
6.7%
出典: IMF Wold Economic Outlook 2013年4月版

アジア主要国については概ね(日本を除き)世界平均よりも高い経済成長を今後も維持すると予測されています。日本の成長率は2013年にやや持ち直す(1.6%)ものの、その後鈍化するという予想。一方、中国の成長率は2013年には8.0%に落ち込み、その後は8%台半ばの成長率を維持するという予測です。また、インドシナ3国のうち周辺の経済成長から取り残され気味だったカンボジアやラオスの成長が今後高まることも見て取れます。

ちなみに、アジア諸国(IMFの区分に従い、アラブ諸国や旧ソ連圏の中央アジア諸国は除く)の中で、今後5年の平均成長率が最も高いのは意外にもブータン(10.5%)で、以下、東ティモール(9.6%)、モンゴル(9.0%)、中国(8.4%)と続きます。

弊社のアジア各国のGDP成長予測のページも最新の数値に更新してあります。(ただし、リンク先のページの表に記載している数値は、国どうしの比較が可能なように米ドル換算した名目GDPの数値となります。)

大気汚染数値急上昇

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香港は最近、雨がちな天気のせいで大気汚染関連の数値は落ち着きを見せていた上、H7N9の騒動に隠れて、PM2.5に関する関心は少し影を潜めていましたが、今朝は久しぶりに晴天となったこともあり、大気汚染関連の指数の数値が急速に上昇(悪化)しています。

下の表はMong Kokの路上観測点の昨晩から今朝にかけての環境指数の推移です。(右端がPM2.5濃度を表しています。)

Mongkok_20130414_pm25

昨晩の夜半すぎから今朝未明にかけて、PM2.5濃度の数値が200を超えていたことが分かります。

また、同じくMong KokのAPI(大気汚染指数)の数値も午前中から200を超え始めています。

Mongkok_20130414_api

香港は現在(15日午前11時)晴れてはいるものの、もやのせいで視界は悪く、香港島のオフィスからは対岸の九龍側のランドマーク・ICCビルも霞んであまりよく見えません。せっかくの晴れ間なので久しぶりに近くの公園でランチでも、という気にはなかなかなりませんね。しかし、今週後半からはまた天気が崩れ、雨模様の天気に戻るようです。

BVIアジアHQの香港への設置

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英領ヴァージン諸島(BVI)の当局者がアジアにおけるヘッドクォーターを香港に設置する意思を表明したという以下の記事。

British Virgin Islands, said to be world’s No 1 home for hidden assets and key transit point for mainland money, picks city as Asia hub

サウスチャイナ・モーニング・ポストの取材に対し、同島の政府系機関BVIインターナショナル・ファイナンスセンター・ディレクターのMs. Elise Donovanが香港をアジア地区のヘッドクォーターとする旨を表明したそうです。

記事にもある通り、今日の対中直接投資の7割以上が香港、BVIの両法人による投資が占めていますが、それらの法人の実質的オーナーの多くは中国人富裕層であり、BVI法人もほとんどが香港経由で設立されたものでした。その意味でこれまでもBVIにとって重要なパートナーとも言える位置付けでしたし、今回の表明によっても、香港とBVIの関係に今更大きな変化はないと思われます。

記事によれば、BVIの出先機関が香港に設置されるようですが、この新しく設立される機関は当面、今回の情報流出事件で大きく揺らいだBVIに対する信頼回復のためのPRの役割を担うことになるのでしょう。

春の嵐

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香港はこのところ天候不順の日が続き、ほとんど毎日のように「Thunderstorm Warning(雷雨注意報)」が発令される日々が続いています。

外国で何年も暮らしていると、生まれ育った日本とは異なる季節感が身についてくるようになりますが、香港にしばらく住んでいると「春=曇天の日が続く重苦しい季節」というイメージが自分の中に定着してきました。香港は毎年春のこの時期、曇りがちな日が多く、気候が不安定になります。

統計的に見ても、3月から4月にかけての時期は、年間を通じて最も日照時間が短くなっています。

climte_hk_fig_combine_c
(香港天文台資料より)

香港でこの時期に天候不順となるのは、北東から吹き込む冷たい季節風と南方の海上からの暖かい気流が衝突することにより、大気の不安定な状態が生まれるためです。日本にも例えば「春の嵐」等といった春先の天候の変調を表す言葉がありますが、香港の場合、「春の嵐」は一時的な天気の変調というより、この季節の日常的な姿となっています。

先週4日は清明節の祝日でしたが、唐代の詩人・杜牧がこの時期のことを詠んだ《清明》という詩があります。

清明時節雨紛紛,
路上行人欲断魂。
借問酒家何処有?
牧童遥指杏花村。

清明の頃には雨が絶え間なく降り、
道行く旅人は悄然として、
酒家はどこかと問う。
牧童は遙か杏花村の方を指し示す。

中国人にとって、この季節は昔から雨の季節と認識されていたようです。

サッチャー元首相追想

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香港との関わりが深かった英国のサッチャー元首相が亡くなったニュースは、当然のごとく香港の新聞でも大きく取り上げられました。

サッチャー元首相が鄧小平氏との間で香港返還交渉を行った頃のエピソードを紹介したのが以下の記事。

Former governor recalls Thatcher’s strong belief in the city’s free market and her determination to preserve its way of life

当時の対中交渉の現場に立ち会い、後に第27代香港総督に就くデビッド・ウィルソンは、「サッチャー女史は香港を深く愛していた」とサウスチャイナ・モーニング・ポストの取材に答えています。「サッチャー女史は自由市場経済の信奉者であり、香港の人たちのエネルギーや企業家精神に感嘆していました。」

サッチャー回顧録によれば、鄧小平氏らとの交渉の過程で香港の返還が避けられない状況になったとき、彼女は消沈したと記されています。「鉄の女」として鳴らしたサッチャー女史としては、主権の返上という国家として最大の妥協を迫られざるを得なかったことに忸怩たる思いがあったのかもしれませんが、それだけでなく、香港に対する感傷めいた思いも少しはあったのかもしれません。

ウィルソン元総督は以下のように続けます。

「しかし、彼女は徹底したリアリストでした。香港の返還を受け入れると、今度は香港の人々の生活が経済の繁栄と共に持続するよう最善を尽くすことを心に決めます。」

「幸いにも、彼女は長生きし、彼女が1984年に署名した共同声明が現実となり、成功裏に実を結んだことを見届けることができました。」

普選問題等を通じ、香港返還後の15年間が問われているこの時期に、彼女が死去したということはある意味で象徴的な出来事ということができるかもしれません。

香港国際空港 ボーディングブリッジ事故

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昨晩の香港発・名古屋行きキャセイ機の出発の際に起きたトラブルに関する記事です。

【本報訊】赤鱲角香港國際機場昨發生歷年首宗登機橋倒塌意外,一架準備飛往日本名古屋的國泰CX532班機,昨傍晚6時在71號閘口上滿乘客後,一名操作員在連接經濟艙的登機橋上,準備將橋駛離機身時,登機橋橋底部份零件突然散落,數秒間整條橋即向左翻側倒塌,並壓向毗鄰連接商務艙的登機橋,更將客機的機艙門扯甩,兩橋雙雙倒下,操作員亦隨登機橋墮下,多處骨折受傷,事後被送院搶救,受影響的275名乘客及機組人員要至今晨才可起飛。

香港発名古屋行きCX532便がその出発準備を終えて、エコノミークラス側のボーディングブリッジ(可動橋)が航空機から離れようとした時に事故は起こりました。ブリッジ作業員が操作をしている際、エコノミークラス側のブリッジがバランスを崩し、もう一方のビジネスクラス側のブリッジに倒れかかる形となり、2つのブリッジは折り重なるように地上に倒れてしまったそうです。

boading bridge falling

香港国際空港でこの種の事故が起こるのは初めてとのことですが、昨年LAの空港で同様の事故が起きたことがあるそうです。記事によれば、以前にも作業員たちからブリッジのぐらつきなど老朽化によると思われる不具合が報告されていたそうで、空港管理局はブリッジの緊急点検を行う方針を示しました。

この事故により、ブリッジを操作していた作業員は手足の骨を折る重傷を負い、275人の乗客・乗員たちは一晩足止めされた後、今朝早朝に名古屋に向けて出発したとのことです。