月別アーカイブ: 2014年2月

2014/15年度 香港政府予算案は過去10年来最低の評価に

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昨日(26日)、香港の曽財政長官が2014年度の政府予算案を発表しました。政府収入総額4,301億香港ドルに対し、政府支出総額は前年比6%減の4,112億香港ドル。政府支出を含む公共支出全体の対GDP比も前年の21.7%から19.8%に低下しています。これについて、曽財政長官は経済成長の鈍化や人口構成の高齢化による近い将来の財政収支の悪化に備えたものだとして、市民に理解を求めています。

government_and_public_expenditure_growth
1986/87年度を100とした場合の名目政府支出と名目公共支出の伸び
(2014/15年度予算案資料より)

これを受けて、昨年同様、主に中流層が恩恵を受ける10,000香港ドルを上限とした給与所得税等の75%カットなどが予算案に盛り込まれた一方で、電気代の政府補助がなくなり、レーツの減免も通年から半年分のみに、また公営住宅の家賃免除が2ヶ月から1ヶ月に短縮されるなど、減税や政府補助の総額は昨年の330億香港ドルから200億香港ドルに縮小されています。

香港税務局の2014年2月26日付けプレスリリース

この影響を受けて、早速行われた香港大の世論調査でも予算案に対する支持率は24%(不支持:45%、どちらでもない:26%)にとどまり、過去10年では最低の数字となっています。

APEC財務相会合開催地変更は香港の普選運動が影響か

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今年9月のAPEC財務相会合の開催地が香港から北京に変更されたことについて、民主派系団体による「佔中」運動がAPECに合わせて来港する国外メディアによって世界中に報じられ、国際的な注目を集めるのを懸念したせいだという見方がされています。

「佔中(占領中環)」運動とは、民主派系団体が普通選挙の実現を求めて香港中心部で座り込みを行ったりデモを行ったりする実力行使行動で、今後、抗議活動がエスカレートし、バンコクのような社会的騒乱に発展することを懸念する政府当局が警戒心を強めています。

信報の記事ではこの他、今回の開催地変更は中央政府による最近の香港軽視の流れの一環であるが、このような対香港政策は間違っているという評論家の声も伝えています。

香港初のビットコインATM間もなく登場

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サウスチャイナ・モーニングポストによると、香港で初となるビットコイン(Bitcoin)ショップが週明けにも香港島の西営盤に登場するとのこと。また複数の業者がセントラル、湾仔、旺角などでビットコインATMの設置準備を進めているようです。

ビットコインは仮想通貨の一種で、ここ数年世界中で普及しつつある一方、その投機的な性質やマネーロンダリングに利用される危険性などについて警戒する声も高まってきており、規制に動く国々もでてきています。SCMPの記事の中でも香港政府がビットコインの取引をどの部署が監督するか検討を始めていると伝えています。(中国本土では、ビットコインの取引に金融機関が関わることを禁じる通達が昨年12月に出ています。)

今回のショップやATMの登場は、仮想通貨の現実世界への浸透を象徴する出来事とも言え、しばらく注目を集めそうですね。

微博が選ぶ「十大影響力香港企業」

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中国版ツイッターとも呼ばれる新浪微博(Sina Weibo)の香港サイトが20日、2013年の「十大影響力香港企業」を発表しました。

(中央社訊息服務20140221 17:21:02)由新浪微博香港站主辦、萬眾矚目的微博之星2013「微博影響力十大頒獎禮」20日舉行,首度選出微博十大最具影響力香港企業、媒體,以及最熱門十大話題。此外,大會同場頒發微博給力電商營銷、微博給力貼心旅遊、微博給力消閒娛樂及微博給力廣告代理等四個特別獎項。

その順位は以下のようになっています。

  1. ハーバーシティ
  2. I.T
  3. ランガムプレイス
  4. 香港旅遊發展局
  5. ニュータウン・プラザ
  6. SASA
  7. apm
  8. 香港航空
  9. オーシャンパーク
  10. 港龍航空

ここで各企業の順位付けに使用された「影響力」とは、その企業が発信したツイート数、それに対するリツイート数、そのツイートが話題にされた数などから微博が算出した指標です。

香港企業の多くは香港の消費者向けにFacebookやTwitterのオフィシャルページを用意していますが、それらのサイトには中国本土からはアクセスすることができません。それゆえ、FacebookやTwitterに加え、微博での情報発信にも力を入れている企業は、中国本土からの旅行客を消費者としてターゲットとしている企業や本土市場の開拓に意欲的な企業だということができます。微博の企業ユーザ数は約40万で、そのうち香港企業は4,500社となっています。

広東語は公用語?

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旧正月期間中の香港を騒がせた公用語騒動。事の発端は1月24日に香港政府教育局のサイト内のあるページに以下のような記事が載せられたことにありました。

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東方日報のサイトより

改修前のサイト(英語版)のキャッシュを見ると、Language Learning Support(語学学習支援)と題した記事の中で、香港における言語使用状況について説明した箇所があり、そこには

「Although both English and Chinese are enshrined in the Basic Law as official languages, approximately 97% of the population uses Cantonese (a Chinese dialect not considered an official language) for daily communication at home and in social circles, with English used mainly to conduct business. 」(香港の基本法では英語と中国語が公用語として定められているが、人口の約97%は家庭や社会サークルでの日常的コミュニケーションにおいては広東語(公用語とは考えられていない中国語の方言)を話し、英語は主にビジネス用に使われている。)

という記述が見られます。この「広東語が香港の公用語でない」というように受け取られる文章が騒動を引き起こすことになります。記事の掲載後しばらくして、サイトの内容がFacebookのシェアなどを通じてネットで広まると、香港市民から反発の声が高まります。

一般的な理解としては、返還時に公用語として定められた「Chinese」とは第一義的には広東語を指し、その後の様々な経緯も踏まえて北京語も公用語として認められつつあるというものだと思われるのですが、広東語を香港の公用語から放逐する動きが一部に出てきているのかと一瞬驚きました。

しかし言われてみれば、基本法の公用語に関する記述の中には広東語を具体的に指した文言はありません。基本法の文脈で公用語について言及する場合には、それは書き言葉としての中国語(あるいは英語)を指すというのが法律家の見解のようですが、もしそうだとすれば、話し言葉である広東語についての前記の文章はあながち間違いとはいえないものの、言葉足らずだと責められてもしようがないところかもしれません。

騒ぎになった後すぐ、担当部局が誤りを認めて当のページの記事が削除されたため、論争というほどのものには発展せずに終息しそうではありますが、香港のアイデンティティの危機という問題や広東語の位置づけについて改めて考えさせられる出来事でした。