月別アーカイブ: 2014年10月

<雨傘革命>繁華街の占拠開始から1ヶ月が経って

  • Twitter
  • LinkedIn
  • FaceBook
  • Add this entry to Hatena Bookmark
  • Yahoo! Bookmark

香港の次期行政長官選挙で事前に候補者の選別を行なう制度の導入を中国政府が決定したことに反対する学生や民主派勢力による抗議活動は、香港では「佔中(Occupy Central)」と呼ばれ、世界的には、「雨傘革命(Umbrella Revolution)」として、大きく報道されることになりました。香港の歴史上、特筆すべき出来事として刻まれるであろう、この雨傘革命のこれまでの動きを振り返ってみます。

次期行政長官選挙における完全な普通選挙の導入を政府に認めさせる手段として、繁華街の占拠(座り込み)という戦術を提唱したのは香港大学副教授の戴耀廷氏をはじめとする3人の知識人でした。2013年1月に戴氏が香港の高級紙「信報」において、「Ocuppy Central(佔領中環)」という香港金融街での座り込み運動を提唱する記事を寄稿して以来、「佔中(佔領中環の略称)」という言葉は連日、香港のメディアを賑わすようになります。

戴氏らの思惑では、数万人規模の繁華街での座り込みという強硬手段をちらつかせることで、香港政府が自発的に自分たちの求める普通選挙制度を導入せざるをえない状況に追い込むという青写真を描いていましたが、結果として政府側からの妥協を引き出すことはできず、逆に自分たちの側が繁華街の占拠を強行せざるを得ない状況に追い込まれることになります。8月下旬に全人代が香港の民主派の要望を無視する形の決定を下した直後の戴氏はメディアのインタビューに対して運動の敗北を認めるようなコメントを出していました。

一方で、学生たちは授業ボイコットという形で中央政府の決定への抗議の意思を表明し、連日連夜の抗議集会はやがて香港政庁前におしかけるデモへと発展します。デモは次第に過激化し、庁舎の敷地内への乱入から警官隊との衝突、そして催涙弾によるデモ隊の鎮圧へと事態が一気にエスカレートしていきました。戴氏ら和平佔中運動のリーダーは政府当局との衝突は避けたい思惑でしたが、結局、学生たちに押し切られる形で繁華街の占拠を宣言するに至ります。

IMG_2490

繁華街の占拠を開始してから1週間ほどが経過した10月上旬、学連を中心とするデモのリーダーたちは分散しているデモ隊の戦力を主戦場と見なす金鐘地区に集約したいと考え、旺角や銅鑼灣、尖沙咀などを占拠していた参加者に撤収を呼びかけますが、尖沙咀のサイトは撤去されたものの、旺角や銅鑼灣を占拠するグループは学連の指示に従わず、繁華街での占拠を続行し、17~18日にかけて旺角で警官隊とデモ隊の間の大規模な衝突を引き起こすことにもつながります。この事件は現場の部隊にデモ隊リーダーたちの統率が及んでいないことを世間に露呈することになりました。

求心力に翳りが見えるデモ隊のリーダーたちは26日、求心力の回復のためにデモ参加者の意見集約を目的とした市民投票を行なうことを表明しますが、事前の調整不足のために質問の設定や投票方式をめぐってデモ隊内部から異論が相次いで直前になってその実施を見送るという失態をさらし、かえって自らの指導力の欠如を浮き彫りにする結果となります。そして、29日にはこれまで占拠活動を主導してきた陳建民・戴耀廷両氏が大学での教職に復帰し、事実上、前線での活動から一線を引くことを表明し、いよいよ内部の亀裂が隠せなくなりました。

一方、香港政府の側は警察によるデモ隊への催涙弾発射の様子が全世界に報道され、大きな非難を浴びたことから、事態を強硬策で解決するという手段を事実上封じられることになり、長く手詰まりの状態が続きますが、ようやくその転機になるかと期待された政府と学生との間で実施された公開対話(10月22日)は何ら具体的な成果には結びつかず、人々の失望を招く結果に終わりました。

梁振英行政長官の支持基盤で、動静がほとんど伝えられなかった親中派勢力も10月下旬には反転攻勢に出るようになり、25日に始まった路上占拠の強制排除を求める街頭署名の数は初日だけで32万人を数え、少なからぬ市民が占拠に不満を抱いている姿を浮かび上がらせました。しかし同時に、繁華街の占拠から1ヶ月が経過しても、秩序回復の道筋を付けられない梁行政長官に対して、親中派の内部からも不満の声が上がり始め、親中派の有力議員で自由党党首である田北俊氏が公然と梁長官の退陣を促す発言を行ない、波紋を呼びます。田氏は29日に北京で開かれた全国政協会合の席で同氏を政協委員から解任され、自由党党首の座も追われることになりますが、親中派の内部も一枚岩でないことを露呈する結果となりました。

こうして金鐘(アドミラルティ)や旺角(モンコク)での路上占拠は続き、今日に至っていますが、当初、世界の耳目を集めた雨傘革命は、このまま占拠を継続しても「真の普通選挙」という目標の達成につながる見込みが全くないまま、ひたすらジリ貧の道を辿っているようにも見えます。

IMG_2550

<雨傘革命>対立する双方の陣営で結束のほころび

  • Twitter
  • LinkedIn
  • FaceBook
  • Add this entry to Hatena Bookmark
  • Yahoo! Bookmark

梁振英行政長官を支える立場の建制派(親中派)の陣営で足並みの乱れが顕在化しています。建制派の有力議員である自由党の田北俊党首が先週、公然と梁長官の退陣を呼びかけたことが波紋を呼んでいますが、今日29日、中央政府の諮問機関である全国政治協商会議(政協)は同氏を政協委員の職から解くことを決定しました。

政協委員を解任された田北俊氏
James-Tien-Pei-Chun

今回の決定は、例え親中派の有力者であっても造反は許さないという中央政府の確固たる意思を示す狙いがあったと見られます。田北俊氏の実弟で、新民党(建制派)の田北辰議員は兄である田北俊氏の発言を批判した上で、建制派陣営内部における梁長官に対する支持は揺らいでいないことを強調しました。

一方、デモ隊の側でも、これまで抗議行動を主導してきた<<佔中三子>>と呼ばれるOCCUPY CENTRAL運動の三人のリーダーのうち、大学教員である陳建民・戴耀廷両氏が29日から教壇に戻ることを明らかにしました。政府当局との衝突を望まない陳・戴両氏ら年長のリーダーと過激な行動に走りがちな学生団体のリーダーたちとの温度差は繁華街の占拠開始直後から明らかでしたが、両氏はメディアのインタビューに対し、今後の抗議活動は学生たちによって担われるべきだとの考えを示し、自分たちの教職への復帰は抗議活動からの「退場」を意味するものではないと強調しました。しかし、香港のメディアは両氏の教壇への復帰は、事実上、運動からのフェードアウトを意味するとの見方を伝えています。

<雨傘革命>政府と学生団体の公開対話、今夕開催

  • Twitter
  • LinkedIn
  • FaceBook
  • Add this entry to Hatena Bookmark
  • Yahoo! Bookmark

先に政府側と学生団体との間で合意していた公開対話が今日の午後6時から黃竹坑醫專學院にて行なわれます。司会は嶺南大学の鄭國漢学長が務め、政府側・学生側双方5名ずつが対話に参加し、まず双方が各5分ずつ発言を行なった後、90分間の質疑応答、そして最後に双方が再び10分ずつの発言を行なって対話を締めくくるという流れで進められます。対話の模様は公開で行なわれ、メディアで同時中継されることになっています。

Meeting_20141021

双方の原則論の応酬だけで終わってしまうのか、あるいは(特に政府側から)妥協案が示されるのかが注目されていますが、今日になって梁振英行政長官がウォール・ストリート・ジャーナル等複数の国外メディアのインタビューに対して、候補者指名委員会の構成を民主派に有利な方向に変更する案を示す可能性を示唆したと伝えられています。政府側が妥協できる範囲としては、現状ではおそらくその程度しか考えられないと思われますが、今夕の対話で政府側がその案に言及するのか、また学生側がこれを受け入れるのかが注目されます。

<雨傘革命>旺角の占拠サイト撤去される

  • Twitter
  • LinkedIn
  • FaceBook
  • Add this entry to Hatena Bookmark
  • Yahoo! Bookmark

九龍側で唯一、道路の占拠が続いていた旺角地区で、今日(10/17)の早朝、警察による占拠サイトの一斉撤去が行なわれました。

Protesters left peacefully after hundreds of officers surrounded democracy protest site, removed barricades

今朝8時時点で、Argyle Road(アーガイルロード)は西行き・東行き両車線ともに通行が可能となり、Nathan Road(ネイザンロード)も北行き車線のみ、車輌の通行可能となっています。また、同地区を通過するバス路線で、道路が占拠されていた期間中、迂回ルートが取られたり運休されたりしていた系統も、今朝から元のルートでの運行が再開されています。

Mong-Kok

IMG_2514IMG_2519

<雨傘革命>膠着状態

  • Twitter
  • LinkedIn
  • FaceBook
  • Add this entry to Hatena Bookmark
  • Yahoo! Bookmark

抗議行動が膠着状態に陥る中で、デモ隊側のリーダーシップの不在を指摘する報道が最近目に付きます。

Supporters say leadership is needed as dispute over agenda threatens talks with officials; lawyers warn civil disobedience is ‘no defence’

当初、OCCUPY CENTRAL(和平佔中)運動を主導してきた戴耀廷(Benny Tai)氏らのグループは先月28日の繁華街の占拠開始以降は表舞台にあまり出てこなくなり、それ以降は専ら学生団体の代表らが表に出る形となっていますが、今回の抗議行動を主導するリーダーたちの間では道路占拠からの撤収をめぐって意見対立があると言われており、強固なリーダーシップの不在が抗議運動を膠着状態に陥らせているという声が支援者の間で強まっていると、サウスチャイナ・モーニング・ポストのこの記事は伝えています。

明日10日には政府側と学生団体側とが公開の場で対話をすることになっています。政府側の代表は林鄭政務司司長と言われていますが、学生側の代表がどのような顔ぶれになるかも注目されます。

<雨傘革命>週末の様子

  • Twitter
  • LinkedIn
  • FaceBook
  • Add this entry to Hatena Bookmark
  • Yahoo! Bookmark

先月28日の占拠開始から2回目の週末を迎えた旺角の様子です。

10/4 朝
IMG_2394

IMG_2390

10/5 朝
IMG_2396

金曜日の佔中グループと反対派の大規模な衝突以降、断続的に小競り合いが発生している旺角の現場ですが、今朝(日曜日)はのんびりとしたムードが漂っています。

しかし、梁振英行政長官の金曜日の談話(週明けからの政府機能の正常化)はデモ隊の強制排除を意図した事実上の「最後通牒」であると地元メディアは報じており、今日から明日にかけて再び事態の緊迫化が予想されています。

tvb_cy_address

<雨傘革命>連休が明けて

  • Twitter
  • LinkedIn
  • FaceBook
  • Add this entry to Hatena Bookmark
  • Yahoo! Bookmark

9月下旬の学生達の授業ボイコットからなし崩し的に始まった「和平佔中(Occupy Central)」運動は今日で6日目を迎えました。10月1日・2日の連休(国慶節・重陽節)が明けた今朝の香港は、昨晩になって政府側が学生との対話に応じる意向を表明したこともあり、少し落ち着きを取り戻したように見えます。

10/3 午前9時頃の旺角の様子

IMGP1083

IMGP1085

IMGP1089

IMGP1093

しかし、午後になって座り込みを続けるグループとそれに不満を募らせる周辺住民との間で衝突が発生し、再び騒然とした状態になっています。

10/3 午後7時頃の旺角の様子

IMG_2385.JPG

デモの主催者は参加者たちに主戦場である金鐘(Admiralty)地区に移動するよう呼びかけていますが、今も旺角には次々と人々が集結してきている状況です。