月別アーカイブ: 2015年12月

e-Chequeサービス始まる

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この12月より、香港の一部の銀行でe-Cheque(電子小切手)サービスが開始されました。

このサービスは従来の紙の小切手に代わって、インターネットバンキング上でe-Chequeを発行し、それを支払先に電子メールで送付。受け取った人はそれを同じくインターネットバンキングを使って、自身の口座にデポジットするという仕組みです。HKMA(香港金融管理局)が作成したリーフレットでは、従来の紙の小切手に対する優位性として、(1)時間・場所を問わず、発行できる、(2)物理的に郵送したり、ATMや窓口で預け入れたりする手間が省ける、(3)高度なセキュリティ措置が施されている、(4)小切手帳が不要となる、(5)省資源に寄与することを挙げています。

12月のサービス開始時点でe-Chequeに対応しているのは、HSBC、ハンセン銀行、中国銀行(香港)、東亜銀行など9行。ICBC、シティバンク、DBSや日系の銀行などではまだ対応していません。

「習うより慣れろ」で、とりあえず試しにe-Chequeを作成してみました。(以下は、HSBCインターネットバンキングでの操作例)

e-Cheque発行の流れ

  1. まず初めてe-Chequeを発行する際には、サービスへの登録(enrollment)画面が表示されます。
    echeque_enrollment

    こちら規約を読み、登録を申請すると、1営業日後にはe-Chequeサービスが利用できるようになります。

  2. 登録を行った日から1営業日が経過して以降に、e-Cheque発行機能に改めてアクセスします。Enrollmentの手続きが完了していると、「Issue e-Cheque」の画面が表示されますので、引き落とし口座を選択して「Continue」をクリックします。echeque1
  3. 続いて、小切手の金額や支払先、日付等を入力します。echeque2
  4. 小切手の内容が表示されますので、問題がなければ、セキュリティデバイスのPINコードを入力します。echeque3
  5. 発行処理が完了し、Acknowledgmentが表示されます。右下のDownloadをクリックし、発行されたe-Cheque(実体は電子署名付きPDFファイル)を自分のPCにダウンロードします。echeque4ダウンロードしたe-Cheque(PDFファイル)を支払先にE-mailで送付します。

e-Chequeデポジットの流れ

  1. 発行者からE-mailで受け取ったe-Cheque(PDFファイル)を自分のPC上に保管します。
  2. インターネットバンキング(個人用でも法人用でも可)の「e-Cheque service > e-Cheque deposit」にアクセスします。echeque_deposit1
  3. デポジットする口座を選択し、アップロードするe-Chequeのファイルを指定するために参照ボタンをクリックします。echeque_deposit2
  4. ファイルダイアログで、PCに保存したe-Cheque(PDFファイル)を選択します。echeque_deposit3
  5. e-Cheque(PDFファイル)のアップロードが完了しました。echeque_deposit4
  6. 次の画面に進みますと、アップロードされたe-Chequeの内容が表示されます。echeque_deposit5
  7. Confirmボタンを押すと、e-Chequeのデポジットが完了します。echeque_deposit6

手順を羅列すると面倒なように見えますが、インターネットバンキングでの送金と大して手間は変わりません。普段からインターネットバンキングを操作されている方であれば、すぐに慣れるでしょう。

香港では小切手による支払いが一般的ですが、政府機関のうち、Inland Revenue Department(税務局)ではBR費用等一部の支払いにe-Chequeを使用することでき、公共料金の支払いについてもHK Electricがいち早くe-Chequeでの支払いに対応するなど、一つの支払い手段としてほどなく認知されるものと思われます。一方、民間の決済においては、まだe-Chequeのサービス自体まだあまりよく知られておらず、また受け入れ態勢ができていないという理由でe-Chequeでの支払いを拒否されることが多いようです。こちらは浸透には時間がかかるかもしれません。

競争条例が14日より施行

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ビジネス上の反競争的行為を取り締まる競争条例(Competition Ordinance:第619章)が14日より香港で施行されました。全部で177の条文と9つの附表からなる本条例は

  1. 反競争的協議等を禁じる第一行動規則
  2. 市場での支配力の濫用を禁じる第二行動規則
  3. 反競争的M&Aを禁じる合併規則

の3つの規則を通じて、市場における反競争的行為を規制することを目的としています。

競争事務委員会(Competition Comission)には既に500件以上の申立てや相談がきているそうで、施行初日には石油の元売り各社が共謀してガソリンの小売価格を高止まりさせているとして、運輸業者たちが競争事務委員会に調査を申し立てました。

反競争的行為に関する相談や調査の申立ては実名・匿名いずれでも可能で、弁護士などの仲介者を通じた申立ても可能となっており、競争事務委員会では広く市民に告発を呼びかけています。

反競争的協議等を禁じる第一行動規則と市場での支配力の濫用を禁じる第二行動規則についてはすべての業種に適用されます(反競争的M&Aを禁じる合併規則については、現状では電子通信業界の一部業種のみに適用)。問題はどのような行為が競争条例に抵触するかですが、競争事務委員会が発酵しているガイドラインでは、第一行動規則については25、第二行動規則については9の具体例を挙げています。第一行動規則のガイドラインに挙げられている例で、反競争的協議と見なされるものは、その多くが先のガソリンのように業界内のカルテルに相当するものです。

  • 月餅メーカーの業界団体が会員に一律10ドルの値上げを要請する決議を行った。決議は拘束力のないものだったが、会員の多くがそれに従った。
  • ある大企業がケイタリングサービスを外部発注することになり、委託業者を入札で決めることになったが、発注者の知らないところで、それら業者が入札金額について事前協議をしており、落札業者があらかじめ決まっていた。

一方、以下のような協議については反競争的協議とは見なされない可能性が高いとされています。

  • 果物を扱う大手業者どうしが、需要予測の精度を高め、商品廃棄をなるべく少なくするために、互いに販売状況に関する情報を共有する仕組みを作り上げた。一方、小規模な業者はこの仕組みに加われず、これらの情報を利用することができなかった。
  • ある高層ビルの改築工事の入札において、単独では入札基準を満たさない小規模な建設事業者どうしが、入札参加基準を満たすために共同で応札した。
  • 配送コストの削減や顧客への広範なアプローチを可能にするために、いくつかの地場の小規模醸造業者が人員や車両などを提供して共同で配送センターを設立した。

実際の運用の中での判断基準はCompetition Tribunal(競争審判所)による裁定や、裁判所の判決によって方向性が決まっていくものと思われます。