カテゴリー別アーカイブ: ASEAN

香港政府がASEANとのFTA交渉開始にあたりパブリックコメントを募集

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香港政府はASEANとのFTA(自由貿易協定)締結に向けた正式交渉の開始にあたり、パブリックコメントの募集を開始しました。

香港とASEANは昨年4月にFTA締結に向けた取組みを開始することで合意していましたが、今年の7月から正式に交渉入りすることになっています。

意見募集にあたり、Consultation Documentでは、香港とASEANの経済・貿易関係の現状を以下のように整理しています。

香港とASEANの経済・貿易関係の現状

  1. 物品貿易
    2013年時点でASEANは香港にとって2番目の物品貿易相手であり、その額は7,500億香港ドルにのぼり、香港の物品貿易額全体の10%を占めています。対2012年比ではプラス3%の伸びで、2009~2013年の両地域間の物品貿易額の年平均増加率は10%に達し、世界的に経済成長が鈍化する中では際だった伸びを示しています。

    ASEAN加盟国のうち、香港との物品貿易額が多いのは、シンガポール(3,050億香港ドル)、タイ(1,210億香港ドル)、マレーシア(1,140億香港ドル)、ベトナム(980億香港ドル)、フィリピン(640億香港ドル)となっており、これらの国々はいずれも香港の貿易相手国(地域)の上位20位以内に入っています。

    香港からASEANへの輸出(再輸出を覗く)額800億香港ドルのうち、たばこやその関連製品、金属鉱石・金属屑、無機化学品等が主な輸出品を占めています。ASEANから香港への主な輸入額5,140億香港ドルのうち、主な輸入品目としては電子機器・器具やそれらの電子部品、通信・録音・再生機器、事務機器、自動データ処理機などが挙げられます。

    一方、香港からASEANへの再輸出品としては、電子機器・器具やそれらの電子部品、通信・録音・再生機器、事務機器、自動データ処理機などが挙げられます。

  2. サービス貿易
    2012年において、ASEANは香港にとって4番目のサービス貿易相手であり、その額は1,100億香港ドルにのぼり、香港のサービス貿易額全体の8%を占めています。

    ASEAN加盟国のうち香港とのサービス貿易額が多いのは、シンガポール(490億香港ドル)、マレーシア(180億香港ドル)、タイ(170億香港ドル)、フィリピン(110億香港ドル)、インドネシア(100億香港ドル)、ベトナム(50億香港ドル)となっており、これらの国々はいずれも香港の貿易相手国(地域)の上位20位以内に入っています。

    香港とASEANのサービス貿易額の伸びは近年目覚ましく、2008~2012年の両地域間のサービス貿易額の年平均増加率は6.8%にのぼり、運輸・旅行、およびその他のビジネスサービスが主なサービス貿易品目を構成しています。

  3. 投資
    2012年末時点で、ASEANから香港への直接投資額は2340億香港ドルで、香港から見てASEANは6番目の投資元となります。その大半はシンガポールからの投資(累計投資額2,050億香港ドル)で、ASEAN加盟国の中では唯一シンガポールだけが香港への直接投資の投資元の上位20位以内に入っています。

    香港からASEANへの直接投資額は2070億香港ドルで、香港から見てASEANは5番目の投資先となります。ASEAN加盟国の中では、シンガポール(累計投資額620億香港ドル)、タイ(同560億香港ドル)、マレーシア(450億香港ドル)、フィリピン(210億香港ドル)が香港への直接投資先の上位20位以内に入っています。

    香港の投資家のASEANへの関心は急速に高まっており、2011年の140億香港ドルだった香港からASEANへの直接投資額は2012年には280億香港ドルへと倍増しています。

    ASEAN加盟国の中で、香港は投資推進・保護協定(IPPA)を2005年にタイ、2013年にマレーシアとの間で締結済みです。ミャンマーとのIPPAについても、双方での国内手続きが済み次第、署名の運びとなる予定です。

この現状を踏まえ、Consultation Documentでは、FTAのキーとなる以下の点について一般からの意見を求めています。

  1. 関税率
  2. 原産地規則
  3. サービス貿易
  4. 投資
  5. 知的財産権

FTAの最大のポイントは関税ですが、香港は元々、輸入品に対して一切関税を課していませんので、ASEAN側が香港を原産地とする製品に対して課す関税について、どこまで撤廃もしくは引下げに応じられるかが交渉の鍵となります。

国名 平均関税率
ブルネイ 2.9%
カンボジア 10.3%
インドネシア 6.9%
ラオス 8.2%
マレーシア 5.5%
ミャンマー 5.1%
フィリピン 5.7%
シンガポール 0.0%
タイ 8.0%
ベトナム 8.4%

コメントの募集は7月7日までとなっています。

アジア各国のGDP成長予測(IMF調べ:2013年10月)

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半年ごとに改訂されているIMF World Economic Outlook(世界経済見通し)の最新(2013年10月)版が公表されました。今回の改訂では、新興国経済の成長予測が下方修正される一方で、日本を含む先進国の経済成長については高めに見直しされています。

今後5年間のアジア主要国の実質GDP成長率の最新予測は下記の表の通りです。

【アジア主要国の実質GDP成長率推移】
2013 2014 2015 2016 2017 2018 年平均成長率
(2013-18)
日本 2.0 1.2 1.1 1.2 1.1 1.1 1.2
中国 7.6 7.3 7.0 7.0 7.0 7.0 7.0
香港 3.0 4.4 4.4 4.5 4.5 4.5 4.5
韓国 2.8 3.7 4.0 4.0 4.0 4.0 3.9
台湾 2.2 3.8 3.9 4.2 4.4 4.7 4.2
シンガポール 3.5 3.4 3.6 3.8 3.9 3.9 3.7
インドネシア 5.3 5.5 6.0 6.0 6.0 6.0 5.9
マレーシア 4.7 4.9 5.2 5.2 5.2 5.2 5.1
フィリピン 6.8 6.0 5.5 5.5 5.5 5.5 5.6
タイ 3.1 5.2 5.0 4.4 4.7 4.7 4.8
ベトナム 5.3 5.4 5.4 5.5 5.5 5.5 5.5
カンボジア 7.0 7.2 7.3 7.3 7.5 7.5 7.4
ブルネイ 1.4 6.2 7.4 9.9 2.5 3.5 5.9
ミャンマー 6.8 6.9 6.9 7.0 7.1 7.1 7.0
ラオス 8.3 7.8 7.6 7.6 7.5 7.9 7.7
インド 3.8 5.1 6.3 6.5 6.7 6.7 6.3
(単位:パーセント)

こうして並べて見てみると、数多くのネガティブな要素を抱えているとはいえ、依然としてASEAN諸国の大半より高い成長を保つと予測されている中国経済の成長力が目に付きます。

ただでさえ巨大な経済力を持つ国が今後しばらく域内最高水準の成長率を持続すると見られているわけで、日系企業のASEANシフトの動きが伝えられている昨今、中国投資のあり方について今一度冷静に考える必要がありそうです。

USドルベースの名目GDPの推移についてはこちらのページをご参照ください。

香港・林鄭政務長官タイを訪問 香港・ASEAN FTA妥結に向けての支援を要請

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香港の林鄭月娥政務長官が先週(9/4-6)タイを訪問し、インラック首相をはじめとするタイ政府・経済界の要人と会談を重ねました。

香港とタイの間には「二重課税防止協定(2005年12月7日発効)」、「投資促進・保護協定(2006年4月12日発効)」に続き、今年2月26日には「貿易・経済関係強化に関する協力協定」も署名され、経済面を中心とした協力関係の環境整備は着々と進んでいます。今回の政務長官の訪問はそのような両国(地域)間の緊密な関係を再確認するとともに、香港が早期の交渉妥結を熱望している香港・ASEAN間FTA(自由貿易協定)の成立に向けて、ASEAN主要国の一つでもあるタイの後押しを改めて要請する狙いもあります。(長官は先月のシンガポールのリー・シェンロン首相との会談の際にもFTA交渉の早期妥結への期待を表明しています。)

日本企業の間で中国一辺倒の投資を見直し、ASEANに目を転じる動きが目立ってきていますが、その中でも伝統的な親日国であるタイに対する関心が再び高まっています。その意味でも、香港とタイ、あるいはその先のASEANとの間の関係強化の動きには引き続き注目していきたいと思います。

ドラゴン航空 香港-シェムリアップ線開設へ

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ドラゴン航空が香港とシェムリアップを結ぶ便をこの秋に開設するとのニュース。

シェムリアップといえば、世界的観光地であるアンコールワットへの玄関口。シェムリアップにはアジア各地から便が飛んでいますが、日本からの直行便はないため、これまで日本からはバンコクやソウル乗り継ぎで向かうのが一般的でした。今秋からは、香港経由の便という選択肢も増えることになります。

最近、ドラゴン航空は香港から東南アジア各国の首都以外の都市への便を次々と拡充しています。香港は日本と東南アジアのちょうど中間点に位置しますから、日本からこれらの直行便の飛んでいない都市への移動が楽になりますね。(もちろん香港在住者にとっても有り難いですが。)

就航予定日は10月29日で、当面は週三便(火・木・土)での運航になるとのことです。

財政長官、ミャンマー訪問

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ASEAN歴訪中の香港のジョン・ツァン財政長官が最初の訪問地のカンボジアに続いて、昨日(27日)はミャンマーを訪問し、両政府間でInvestment Promotion and Protection Agreement(IPPA:相互投資促進・保護協定)締結の可能性を探っていくことで合意したとのことです。

Financial Secretary John Tsang started his visit to Myanmar today by seeing Chinese Ambassador Yang Houlan, meeting Union of Myanmar Federation of Chambers of Commerce & Industry President Win Aung, and attending a business luncheon in Yangon.

ミャンマーと香港の経済的な結びつきは意外に強く、昨年末時点の直接投資残高で、香港は全体の15.5%を占め、国(地域)別では中国・タイに次いで3番目の規模となっています(日本は全体の0.22%で12位)。広東省を中心に生産拠点を展開する香港製造業には中国本土の製造コスト上昇にどう対処するかということが課題として重くのしかかっていますが、その対応策のひとつである生産拠点の移転先の候補地の一つとして、人件費を始めとするコストの低いミャンマーが挙がっています。(ヤンゴンなどの都市部でのオフィス賃料の高騰やインフラの未整備という問題はありますが。)また、財政長官が昼食時に行ったスピーチでは、先のASEAN首脳会議で交渉入りを呼びかけられたASEANと香港の間のFTAについても言及しており(ミャンマーもASEAN加盟国のひとつ)、このことも香港からの投資の追い風になるとしています。

投資競争では出遅れた感のある日本からも、今年に入って安倍首相、麻生副総理や経団連のミッションが相次いで訪れ、多額の資金援助を約束するなど投資を本格化させる動きを強めていますが、先日も韓国の代表団がミャンマー政府との間で、ヤンゴン南郊のダラ地区の開発を支援することで合意したとの報道がされるなど、アジアのラスト・フロンティアとも呼ばれるミャンマーをめぐっての各国の投資競争は熱を帯びています。

RCEP交渉開始

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アジア・太平洋地域において、TPPと並ぶ2大自由貿易圏の一つであるRCEPの交渉がいよいよ明日から開始されます。

東アジアを中心とした巨大自由貿易圏作りが動き出す。日本や中国、東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国は9日から東アジア包括的経済連携(RCEP)交渉の初会…

TPP参加国
TPP

RCEP参加国
RCEP

記事にもある通り、RCEPは現状では経済規模の点でTPPに劣るものの、TPPに参加しない中・印両大国がメンバーに加わっている点が注目されます。香港は現段階でまだRCEPの交渉参加国ではありませんが、将来的にはその輪の中に組み込まれていくことになるでしょうね。

ASEAN 香港へのFTA交渉呼びかけ

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ブルネイで開催中のASEAN首脳会議後に発表される声明において、香港に対してASEANとの間のFTA締結に向けての交渉を呼びかける文言が盛り込まれる予定だと報じられています。

THE Association of Southeast Asian Nations (Asean) – a 10-member bloc of which Singapore is a founding member of – wants to begin negotiations on a free trade agreement with Hong Kong.

ASEANと香港とのFTAについては、既に発効済みのASEAN・中国FTA(ACFTA)の枠組みに香港が参加する形が取られるものと思っていたのですが、記事の中ではACFTAには言及されておらず、ASEANと香港の間の個別FTA締結に向けての交渉を行うことが想定されているように見えます。

アジアにおける自由貿易圏構築の動きとしては、先日日本が交渉参加を認められたTPPが注目されていますが、それと並行する形でASEANが日・中・韓・印・豪・NZの各国と個別に結んでいるFTAを束ねる構想(RCEP)も具体化に向けて動き始めています。アジアにおける自由貿易圏の構築の動きは今のところASEANを中心に進んでいることから、香港としてもASEANとの早期のFTA締結は急がれるところであり、今回のASEAN側からの呼びかけは願ったり叶ったりだと思います。続報を待ちたいと思います。

IMF世界経済見通し(2013年4月版)

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国際通貨基金(IMF)が半年に一度公表している世界経済見通しの2013年4月版が発表されました。

 [ワシントン 16日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)は16日、最新の世界経済見通しを公表し、2013年の世界経済の成長率予想を前回1月時点の3.5%から3.3%に引き下げた。
 2014年についても、前回の4.1%から4.0%に下方修正した。
 米国の財政緊縮や欧州の景気低迷が重しになるとの見方を示した。
 金融リスクが後退する中、経済見通しはここ数カ月で改善したと指摘しつつも、キプロス問題…

今後の中期的な予測の上で参考になると思われる、アジア主要国の今後5年間(2013-2018年)の年平均・実質GDP成長率を抜き出してみました。

日本
1.2%
中国
8.4%
香港
4.4%
韓国
4.0%
台湾
4.5%
香港
4.8%
シンガポール
4.3%
インドネシア
6.5%
マレーシア
5.2%
フィリピン
5.4%
タイ
4.4%
ベトナム
5.4%
カンボジア
7.4%
ブルネイ
5.9%
ミャンマー
6.8%
ラオス
7.8%
インド
6.7%
出典: IMF Wold Economic Outlook 2013年4月版

アジア主要国については概ね(日本を除き)世界平均よりも高い経済成長を今後も維持すると予測されています。日本の成長率は2013年にやや持ち直す(1.6%)ものの、その後鈍化するという予想。一方、中国の成長率は2013年には8.0%に落ち込み、その後は8%台半ばの成長率を維持するという予測です。また、インドシナ3国のうち周辺の経済成長から取り残され気味だったカンボジアやラオスの成長が今後高まることも見て取れます。

ちなみに、アジア諸国(IMFの区分に従い、アラブ諸国や旧ソ連圏の中央アジア諸国は除く)の中で、今後5年の平均成長率が最も高いのは意外にもブータン(10.5%)で、以下、東ティモール(9.6%)、モンゴル(9.0%)、中国(8.4%)と続きます。

弊社のアジア各国のGDP成長予測のページも最新の数値に更新してあります。(ただし、リンク先のページの表に記載している数値は、国どうしの比較が可能なように米ドル換算した名目GDPの数値となります。)

統括会社の立地場所としての香港

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住友化学がシンガポールに統括会社設立という記事。

住友化学は28日、東南アジア、インド、オセアニアにおける事業を支援する統括会社として、「住友化学アジアパシフィック」をシンガポールに新設し、4月1日から営業を開…

最近では日本企業によるアジア統括本部設置の記事はもう目新しさを感じなくなってきましたが、これまでのところ、日本企業によるアジアへの本社機能の移転先としては、シンガポールが一人勝ちのような状況になっています。シンガポールが設けている統括会社誘致のための優遇策は基本的にグローバルな大企業を対象としたものですが、日本企業におけるアジア統括本部を作る動きはこれまでのところ大企業が先行して行っているがために、大企業の統括拠点の立地に適したシンガポールに脚光が当たる形になっていると考えられます。

シンガポールの場合は日本から地理的にも遠く、ここに統括本部を置くのであれば、人・モノ・情報も含めた本社機能を大幅に移すことを覚悟しなくてはなりません。対して、香港は日本との距離が近く、地理的にも日本と東南アジア地域の中間に位置します。比較的規模の小さい企業が司令塔としての本社機能を日本に残しつつ、東南アジアや中国市場への進出の足場としての統括本部を設置する場合には、香港の位置づけが改めて見直されるのではないかと思います。

これまでのところ、アジア統括会社の設置競争においてはシンガポールと香港の間で完全に明暗が分かれた形ですが、これから中堅・小規模企業のアジア拠点設置にその焦点が移るにつれ、徐々に香港の方にも日が当たってくることを期待しています。

広東省最低賃金引き上げへ

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先日公表された広東省の最低賃金引き上げに関する日経新聞の記事。

記事にもある通り、日系製造業の取りうる対応としては一層の省力化・オートメーション化により労働集約型から技術集約型への転換を進めるか、さもなければ撤退・移転しかありません。前者で問題が解決すればそれに越したことはありませんが、それではそもそも何のために中国に進出したのかというジレンマにも陥ることになります。

中国政府が示した中国内陸部への移転という選択肢は日系企業の目には全く魅力的に映らず、最近は移転先(あるいは新規投資先)のトレンドはほぼ東南アジアということで固まりつつあります。

ただ、東南アジアの各国も最近、次々と最低賃金の引き上げを決めています。

タイ:日額最低300バーツ(約934円)
ベトナム:月額最低235万ドン(約10,455円)
※ともに’13年1月から

これらの国々では労働力への需要が極めて高く、タイなどは実質的には完全雇用に近い状態だということです。そのため賃金上昇圧力が強く、中国以外の周辺国でも賃金上昇傾向はしばらく止まらないでしょう。

コスト競争力は相対的なものなので、周辺により低いコストで生産可能な国や地域がある限り、生産拠点を移す動きが止まらないのは分かりますが、生産移転の波がラストフロンティアと呼ばれるミャンマーあたりにまでたどり着くとどうなるのでしょうか。

日系製造業は仮に安価な労働力を求めて現在、賃金の低い国に進出したとしても、いずれ賃金上昇に苦しむ可能性が高いわけですので、あらかじめそのことを見越した戦略が求められるわけですね。