タグ別アーカイブ: 香港の政治問題

香港立法会選挙、建制派が過半数、非建制派も全議席の3分の1超を死守

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4日(日)に投開票が行われた香港立法会議員選挙の全70の議席獲得結果が固まりました。

香港の立法会の議席(定数70)は以下の3つのカテゴリーからなります。

  • 職能団体枠(議席30)
  • 超級区議会枠(議席5)
  • 地方選区枠(議席35)
今回の選挙の結果、それぞれの議席配分は以下の通りとなりました。
2016Legco_election_profession
2016Legco_election_super
2016Legco_election_district

その結果、全体の議席配分は下記の通りとなっています。

2016Legco_election_all

建制派は前回(2012年)から3議席減らしたものの、過半数は維持。汎民主派も前回の27議席から1議席減らした一方で、急進的な民主化を求める初参戦の本土派が地方選区で3議席を獲得し、非建制派勢力が政府提案の重要な議案を否決できる全体の3分の1超の議席を死守しました。

今回の選挙はの投票率は58.28%と、今回を含めた過去6回の立法会選挙の中で最高の投票率を記録しました。

投票場の様子
P1090766

次期行政長官選出方法に関する改革案は否決

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18日、香港政府が提出した「行政長官選出方法に関する改正法案」が、賛成:8、反対:28(欠席:33、他に採決に加わらなかった議長:1)で立法会で否決されました。

voting_result_150618

議員定数70の立法会において、法案の成立のためには全議員の3分の2の賛成が必要なことから、27名の汎民主派系議員が結束して反対票を投じることが確実になった時点で法案の否決は免れなかったのですが、体調不良の同僚議員のために要請した15分の休会が議長に認められず、やむなく退場したという建制派の言い訳については批判の声が挙がっています。

また、建制派の中でも、採決を欠席した多数派と採決に参加して賛成票を投じた少数派とにその行動が分かれたことは注目されます。昨秋、梁長官の自発的退陣を要求して、政協委員の要職を解任された田北俊議員が所属する自由党の議員ら建制派の中でも中道寄りの議員が採決に加わったとみられます。

今回の採決は香港の将来を左右するという意味で「historic vote(歴史的な投票)」とも呼ばれていましたが、中央政府(全人代常委)の決定を(高度な自治が認められているとはいえ)一地方の議会が否定したという今回の採決結果自体もまさに「historic」であり、その反動を懸念する声も民主派の間からは挙がっています。

弊社ニュースレターより

行政長官選挙制度改正案、立法会での採決迫る

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香港の2017年行政長官選出制度改正案は明日から審議入りし、早ければ今週中に採決にかけられます。この改正案が立法会で可決成立するためには、立法会の議員定数70のうち、3分の2(47)以上の議員の賛成が必要で、現在の票読みでは、汎民主派系議員27名が反対票を投じるとされていることから、否決される公算が高くなっています。

議員の投票動向を左右する民意の状況も、政府案への賛否が二分された状況は4月の政府案発表直後から2ヶ月が経過したこの時期になっても変わらず、土壇場で汎民主派議員が賛成に転じる余地も少ないとみられています。

public-poll_June-15

立法会での採決を目前に控え、立法会周辺での民主派の抗議活動が活発化する中、民主派系の著名議員・梁国雄氏が中央政府による買収工作を暴露したり、爆弾によるテロを企てたとして過激派が摘発されるなど、様々な動きが伝えられています。

5割前後の市民が政府案を支持する一方、4割弱の市民は不支持

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香港大・中文大・理工大の合同世論調査によると、香港市民の47%が先週香港政府が発表した次期行政長官選出制度案を支持していることが明らかになりました。

【now新聞台】本台贊助三間大學民調機構進行的政改滾動民調有第一次結果,支持方案的被訪者有四成七,反對的有三成八,支持與反對相差少於十個百分比。大專或以上學歷,以及年齡三十歲以下的組別,反對方案的更超過一半。學者分析,多個調查均顯示,反對政改的民意很穩定,即使政府能爭取到游離人士,最終支持方案的民意也不會是壓倒性。

前記3大学の調査機関が先週の政府案発表後、1,000人余りの市民にその評価を聞いたところ、政府案を支持すると答えた人の割合は47%、反対すると答えた人の割合は38%と、その差は9ポイントという結果となって表れたということです。

public-poll-201504

また、TVBが嶺南大学と合同で実施した同様の世論調査でも、政府案自体の評価については「肯定的」35%、「否定的」35%、「どちらでもない」25%と分かれたものの、政府案を可決成立させるべきかという問いに対しては、「成立させるべき」51%、「否決すべき」38%、「分からない」11%という結果が出ており、いずれの調査でも、5割前後の人が政府案の可決を支持する一方で、4割弱の市民は現行政府案を成立させるべきでないと考えていることが明らかになりました。

2017行政長官選挙制度に関する香港政府案が発表される

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今日(22日)午前、林鄭月娥政務司司長が2017年実施の時期行政長官選挙制度に関する香港政府案を立法会で発表しました。政府案の内容は昨年8月末に全人代で承認された案を踏襲したもので、行政長官指名委員会の過半数の支持を受けた候補者の中から一般市民による選挙によって行政長官を選出するものとなっています。

Political-Reform

今日提示された政府案に対し、議会の約4割を占める民主派は承認しない姿勢を見せ、林鄭政務司司長の発表の際には大半の議員が議場を出て抗議しました。もし仮に、採決の結果、政府案が議会の3分の2以上の承認を得られなかった場合、「普通選挙」に関する議論は振出しに戻り、次期行政長官選挙は従来の方式(指名委員会内部での選挙)で実施されることになります。香港政府側は、今回の機会を逃せば「普通選挙」実現の機会はいつ訪れるか分からないとして、「一定要得(必ず実現させなければならない)」をキャッチフレーズに政府案への賛成を訴えています。

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英中共同声明から30年

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香港の返還を定めた「英中共同声明」の署名から今日19日でちょうど30年となりました。「佔中」運動が一区切り付いたこの時期に、この共同声明をめぐっての議論が喧しくなっています。

Veteran politicians familiar with the pre-handover negotiations are split on the government’s controversial interpretation of the Joint Declaration – officially signed 30 years ago today….

足かけ3年間の交渉を経て、英中両政府の間で84年に交された英中共同声明ですが、その中では香港の返還と併せて、返還後50年間の「一国二制度」下の「高度な自治」を保証することも定めていました。香港で抗議デモの嵐が吹き荒れる中、英国側はこの共同声明が確実に履行されていることを見届ける「道義的責任」があるとして、英国国会の視察団を香港に派遣することを決めますが、中国政府はこれを内政干渉として受入れを拒否したばかりか、反発を強める中国側は、駐英中国大使館がこの共同声明の内容は現在では無効だという見解を示します。

上の記事では、譚志源政制及内地事務局局長が英国にはそのような道義的責任はないという見方を示した他、香港基本法の起草に携わり、現在も基本法委員会のメンバーを務める譚惠珠氏も「If there are people who want to come to Hong Kong to investigate or monitor the implementation of the Joint Declaration for the political reform issue, it is out of the focus.(政治改革問題に対して、共同声明の履行を調査・監視する目的で香港を訪れることを望む人たちがいるとすれば、それは的外れだ)」と述べています。

そもそも、「一国二制度」を含む現在の香港の自治制度は84年の英中共同声明に由来するものではなく、97年に定められた香港の基本法に由来するものであり、それを否定したからと言って、直ちに現在の香港の自治そのものを否定するものではありません。英国側による共同声明の履行の監視がこれまでどのように行なわれてきたのかは定かでありませんが、それにしても中国側の反応はあまりに過敏であり、そこには香港問題に対する米英を中心とする諸外国からの介入への強い警戒心が表われています。

普選導入をめぐる市民投票に80万人の市民が投票

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「佔中(Occupy Central)」運動を推進する団体が実施した「全民投票」は昨日(29日)、投票所およびインターネットでの投票が締め切られ、投票期間中、約79万5千人が票を投じたことが分かりました。

この数字が持つインパクトについて、「全民投票」の有権者資格は「18歳以上の香港永久性居民」であることですが、投票母数である有権者数についての数値が不明なため、正確な投票率は明らかではありません。参考までに、香港の通常の選挙における有権者登録者数は2013年時点で約347万人。ただし、この選挙有権者登録のためには「有権者登録を行う」という手続きを経る必要があるだけでなく、その資格に「18歳以上の香港永久性居民」という「全民投票」の条件以外に「香港に常時居住していること」「無能力者認定を受けていないこと」等の条件も加わります。香港の永久居民資格を持ちながら、日常的に香港外(例.中国本土)に居住している人も多数いますので、「全民投票」の有権者数は通常の選挙の有権者数を大きく上回ることになります。
(ただし、投票期間中、中国本土から「全民投票」のサイトへのアクセスは遮断されていたため、仮に中国本土在住の「全民投票」有権者が投票を行おうとしても、そのために香港に戻って投票所に直接足を運ぶかネット経由で投票を行う必要があり、現実的には敷居が高いものでした。)

香港大学民意研究計画(HKU POP)がまとめた速報値によると、第1の設問である香港政府に提出する選挙制度案については以下の投票結果となり、真普選聯盟が提出した「三軌方案」が選挙制度案として選出される見込みとなりました。

真普選聯盟案 42.1%
人民力量案 10.4%
香港専上学生聯会 38.4%
棄権 8.9%

※「三軌方案」とは、

  • 有権者の1%(約3万5千人)以上の署名を集めた者
  • 直近の立法会選挙で総投票数の5%以上を得票した政党により指名された者
  • 指名委員会により指名された者

を行政長官選挙の候補者として直接選挙により競わせるというものです。

中国政府サイドや香港内の親中派団体などは、民間投票自体が「基本法」違反で無効だとして、その実施を断固認めない姿勢を示していますが、香港政府No.2の林鄭月娥政務長官は昨日の記者会見で、社会や議会に向けて議論を提起するのであれば、それは法に従ったものでなければならないとする従来の主張を述べる一方で、今回の「全民投票」自体は市民の意見表明の一つの方法であり、その投票者数や結果について尊重しなければならないとする見解も同時に示しました。例の「白書」発表以降、市民の反発に配慮してか、香港政府要人の発言のトーンも微妙に変わってきていることが伺われます。

普通選挙制度導入に関する市民投票始まる

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次期香港行政長官選挙での普通選挙制度の導入をめぐる市民投票(「6.22 民間全民投票」)が本日(20日)正午、ネット投票を皮切りに開始されました。

投票にあたっては、ネット投票(モバイルアプリ経由を含む)と投票所での投票という2つの選択肢が用意され、本日始まったのはこのうちネット投票のみです。投票には二つの設問が用意され、一つ目は「佔中」運動を進める団体が香港政府に提出する選挙制度案について、3つの団体(真普選聯盟、人民力量、香港専上学生聯会)が提示した試案のいずれを採用すべきかを問うもの、さらに二つ目の問いは香港政府が示す選挙制度案が、国際的な標準から見て、選挙民による真の選択であると考えられない場合に、議会はこれを拒否すべきかどうかを問うものです。

この調査は香港大学が一民間団体の委託を受けて実施するもので、その投票結果に法的拘束力があるわけではありませんが、今回の投票は昨年1月に発起人の呼びかけによって動き出した「佔中」運動の重要なマイルストーンと見られていて、この投票の実施をめぐって香港は大きく揺れています。投票を管理する香港大学民意研究計画(HKU POP)によれば、同機関のサイトはこの数日来、反対派の妨害活動と思われるサイバーアタックを受け、非常につながりにくい状態が続いており、当初22日(日)までの予定であったネット投票の受付は29日(日)まで延長されることになりました。

投票権を持つのは18歳以上の香港永住権所有者。午後9時現在で32万人超がネットでの投票を行ったということです。投票所での最後の投票日である29日(日)以降に一斉に開票が行われ、その結果が公表されることになっています。

popVote

POP VOTEのサイト

佔領中環運動への支持下がる

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香港大の最新の世論調査結果によると、次期香港行政長官選挙における普通選挙制度導入を訴える実力行使手段としての「佔領中環」運動への支持は、前回7月の調査時に比べて減少しました。

研究背景

《明報》繼2013年4月及7月後,第三次委託香港大學民意研究計劃進行是次調查,目的是了解市民對2017年特首選舉及「佔領中環」行動的意見。

調查問卷沿用首兩輪調查之問卷,所有操作、數據收集及分析皆由民研計劃獨立進行,不受任何機構影響。換句話說,民研計劃在今次調查的設計及運作上絕對獨立自主,結果亦由民研計劃全面負責。

「佔領中環」運動への
支持・不支持
第1回
(2013年4月)
第2回
(2013年7月)
第3回【今回】
(2013年10月)
支持 9% 15% 12%
やや支持 16% 17% 13%
どちらともいえない 18% 13% 11%
やや反対 21% 21% 22%
反対 30% 25% 33%
知らない・答えない 7% 9% 9%

「佔領中環」運動に多かれ少なかれ賛意を示す人の割合は、前回(7月)の調査では香港市民の3分の1近く(32%)を占めたのに対し、今回の調査では約4分の1(25%)にとどまりました。前回の調査が天安門事件記念日から香港返還記念日にかけての香港の「政治の季節」の余韻残る時期に行われたことが結果にも影響した可能性は大いに考えられ、今回の結果の方が民意のより定常的な状態を反映した数字と見ることができるかもしれません。そこには、民主派支持層が香港市民の5~6割を占める中で、このようなラディカルな政治運動に共感を示す層は、民主派支持者の中でおいてすら必ずしも多数派とは言えないことが見て取れます。

運動への支持が広がりを欠いている背景には、中央・香港政府からの強い警告やそれを受けた地元香港の財界などの懸念の声に加え、「反佔領中環」を掲げてより穏健な形での普選実現を目指す「サイレント・マジョリティ(帮港出声)」運動の動きもあるとみられます。

また、同じ調査の中で、もう一つの「予備選による候補者の選別を行うべきか」という問いに対する回答の分布は以下のようになりました。

予備選への支持・不支持 第1回
(2013年4月)
第2回
(2013年7月)
第3回【今回】
(2013年10月)
支持 19% 19% 21%
やや支持 25% 23% 27%
どちらともいえない 15% 11% 8%
やや反対 13% 16% 16%
反対 22% 22% 20%
知らない・答えない 6% 8% 7%

選挙委員による予備選が実施されれば、事実上、中国政府に対して対決姿勢を取る候補者は排除されると見られており、予備選が実施されるか否かは普通選挙の肝ともいえる部分だと思うのですが、半数近くの香港市民がその実施を支持しているのは意外な気もします。

返還記念日デモに対する中国共産党系紙社説への反応

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今日の香港の新聞記事には、昨日の『環球時報』の社説に対する反応が目立ちました。『環球時報』は中国共産党の機関紙『人民日報』系列の官製メディアで、その論説内容には中国共産党の公式見解が反映されているものとされます。

昨日の『環球時報』の社説は次のようなものでした。

昨天是香港回帰十六周年紀念日,香港官方和民間挙行各種活動,一些人参加了示威游行,喊出从“民主”、“双普選”到跟動物保護、拆遷有関的各種口号。“七一”游行已経成為香港社会的“新伝統節目”之一,它被看成“一国両制”的重要表現。

引用部の末尾にこうあります。「7月1日のデモは今や香港の新たな伝統行事となっており、一国二制度の重要な表現であると見なせる。」また一方で、デモを主催した民主派等の勢力を指して「その影響力はそのうち勝手に弱まり、体制内の反対派となっていくだろう」と述べています。さらに社説の中では、「香港人の中には本土を刺激するような言動をする人も見受けられるが、これは一種の甘えであり、いちいち反応せず見過ごせばよい」とし、社説全体としては、デモを過大視せず、放っておけばよいというトーンになっています。

一昨日のデモの参加者の抗議の声の多くは、香港の現体制だけでなく中国政府にも向けられたものなのですが、それにしては随分と鷹揚な態度です。最近、中央政府は香港における反北京・反本土の動きに神経を尖らせていると言われてきましたが、その態度に変化が見られるのでしょうか。

これについて、「佔中」運動の指導者もトーンの変化を感じているようです。

しかし一方で、『星島日報』は今日の社説の末尾で、系列紙とは言っても『人民日報』と『環球時報』とではレベルが異なるので、それを中国政府内の一致した見解と受け取るべきではないという大学講師のコメントを紹介しています。