タグ別アーカイブ: 香港政府予算

2017/18年度政府予算案における減税措置

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22日発表された2017/18年度香港政府財政予算案において以下の5つの減税措置が盛り込まれました。

  1. 事業所得税(Profits Tax)、給与所得税(Salaries Tax)およびパーソナルアセスメント(Personal Assessment)に対する減税
  2. 個人所得税計算方法(累進税率方式)の一部変更
  3. 扶養障害者控除・扶養兄弟(姉妹)控除額の引上げ
  4. 自学費用控除限度額の引上げ
  5. 住宅ローン利息の控除可能期間の延長

1.事業所得税(Profits Tax)、給与所得税(Salaries Tax)およびパーソナルアセスメント(Personal Assessment)に対する減税
事業所得税・給与所得税・パーソナルアセスメント(給与所得以外に事業所得や不動産所得を有する納税者に対する課税方式)の確定税額が75%減免(上限はそれぞれHK$20,000)となります。

2.個人所得税計算(累進税率方式)の税率表の変更
個人所得税計算(累進税率方式)に適用される税率表が以下の通り、変更されます。

2016/17年度 2017/18年度以降
課税所得 税率 課税所得 税率
HK$ 40,000まで 2% HK$ 45,000まで 2%
HK$ 40,001からHK80,000まで 7% HK$ 45,001からHK90,000まで 7%
HK$ 80,001からHK120,000まで 12% HK$ 90,001からHK135,000まで 12%
残額 17% 残額 17%

3.扶養障害者控除・扶養兄弟(姉妹)控除額の引上げ
扶養障害者控除がHK$66,000 から HK$75,000へ、また扶養兄弟(姉妹)控除額がHK$33,000 から HK$37,500にそれぞれ引上げられます。

4.自学費用控除限度額の引上げ
課税所得から控除できる自学費用の金額の上限が従来のHK$80,000からHK$100,000に引上げられます。

5.住宅ローン利息の控除可能期間の延長
課税所得から住宅ローン支払利息を控除できる期間が従来の15年から20年に延長されます。(上限がHK$100,000なのは従来と変わらず)

これらの措置は議会での承認を経て、実施に移されます。

香港政府2016/17年度財政予算

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2月24日、曽蔭権財政長官が在任中9回目となる政府予算案の発表を行いました。その内容は以下のようなものになっています。

HK-budget1

HK-budget2

HK-budget3

予算発表後の世論調査(HKU POP 2016/17予算案に対する第1回フォローアップ調査)では、今回の予算案について満足と答えた人の割合が41%、不満だと答えた人の割合が17%でした。また、給与所得税減税や各種控除の引上げといった市民の負担軽減策が十分かという問いや事業所得税減税などの中小企業支援策が十分かという問いについて、いずれも過半数の市民が十分と答えており、全体としては今回の予算に対し、香港市民は比較的好意的に受け止めていることがうかがわれます。

Q. 市民の負担軽減策が十分か
A. 十分(51%) 不十分(43%) 分からない(6%)

Q. 中小企業に対する支援策は十分か
A. 十分(53%) 不十分(29%) 分からない(8%)

また、ここ数年の低所得者への重点支援の方針を転じ、中所得者層が最大の受益者となる予算配分となったと言われますが、そのことについても調査に答えた過半数の市民が同意しています。

2014/15年度 香港政府予算案は過去10年来最低の評価に

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昨日(26日)、香港の曽財政長官が2014年度の政府予算案を発表しました。政府収入総額4,301億香港ドルに対し、政府支出総額は前年比6%減の4,112億香港ドル。政府支出を含む公共支出全体の対GDP比も前年の21.7%から19.8%に低下しています。これについて、曽財政長官は経済成長の鈍化や人口構成の高齢化による近い将来の財政収支の悪化に備えたものだとして、市民に理解を求めています。

government_and_public_expenditure_growth
1986/87年度を100とした場合の名目政府支出と名目公共支出の伸び
(2014/15年度予算案資料より)

これを受けて、昨年同様、主に中流層が恩恵を受ける10,000香港ドルを上限とした給与所得税等の75%カットなどが予算案に盛り込まれた一方で、電気代の政府補助がなくなり、レーツの減免も通年から半年分のみに、また公営住宅の家賃免除が2ヶ月から1ヶ月に短縮されるなど、減税や政府補助の総額は昨年の330億香港ドルから200億香港ドルに縮小されています。

香港税務局の2014年2月26日付けプレスリリース

この影響を受けて、早速行われた香港大の世論調査でも予算案に対する支持率は24%(不支持:45%、どちらでもない:26%)にとどまり、過去10年では最低の数字となっています。

2013/14年度香港政府予算案

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本日午前11時より立法会において、曽俊華(ジョン・ツァン)財政長官による来年度政府予算案の発表がありました。

歳出予算の総額は前年比15.6%増の4,400億香港ドル(約5兆2,140億円)で、内訳は下の図の通りとなっています。

歳出内訳

予算の配分先はこれまで通り、教育、社会福祉、医療が中心であり、これら3分野で経常支出の6割を占めています。

一方、歳入予算の総額は4,351億香港ドル(約5兆1,559億円)にとどまり、来年度は現時点で約49億香港ドル(約581億円)の歳入不足が見込まれることになります。

chart2

注目される財政上の支援策は下記の通りとなっています。

  • 事業所得税・給与所得税および個人総合課税の75%減免(上限10,000香港ドル)
  • レーツの免除(1物件あたり上限1,500香港ドル)
  • 住宅用電気料金の補助(1,800香港ドル)
  • 公営住宅賃料の2ヶ月分免除
  • 総合社会保障支援制度による給付金の1ヶ月分増額
  • 社会保障給付金制度における高齢者手当、高齢者生活手当、障害者手当の1ヶ月分増額

また、演説の終盤近くの「Embracing the Challenges Ahead」という箇所では、そこに題された通り、香港の前途に横たわる高齢化問題から目を背けるのではなく、それをembrace(受容)した上で、将来予想しうる財政上の困難に備える必要があることを述べています。また、この問題を長期的視点に立って研究するためのワーキンググループを設置することも明らかにしています。

下の図は、1人の高齢者(65歳以上)を何人の現役世代(15 – 64歳)で支えるかを示すものです。香港では現在、現役世代5.3人で1人の高齢者を支えている形ですが、これが30年後には現役世代1.8人で1人の高齢者を支えるようになります。

chart5

今回の予算演説には、人口構成の高齢化に伴って将来予想される歳入不足に対し、例えば、これまでのような公有地の売却やFundの剰余金による穴埋めというような、その場しのぎの対応にはもはや限界があり、何らかの抜本的な対応が必要だという思いが見て取れます。財政長官の脳裏には、例えば近い将来の消費税の導入なども描かれているのでしょうか。

なお、財政長官は予算案の発表に先立ち、前年の香港のGDP成長率が+1.4%にとどまったことを明らかにした上で、2013年のGDP成長率も+1.5~3.5%の比較的低い数値にとどまるとの見通しを示しています。